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江沢民派閥の両重鎮・薄煕来(中央)と李鴻忠(左上)は両会で相次ぎ醜態を演じた(大紀元資料)

両会閉幕 江沢民派閥、さらに抑制される

 【大紀元日本3月17日】「両会」と呼ばれる「全国人民代表大会」と「政治協商会議」はそれぞれ、14日と13日に閉幕した。中国の国策を決定する会議とされているが、会議自体は実質内容がほとんどなく、民間では前者は「ゴム印鑑」、後者は「花瓶」と呼ばれている。「両会」が開会する前、政府報道機関の中央テレビや新華社が『江沢民思想年編』を刊行したことで、江沢民前国家主席が「両会」を、衰えた江派閥の影響力を続けて発揮する場にしようとしていると読まれ、今年の「両会」の注目点であったが、開会中に、江派閥の両重鎮・薄煕来重慶市書記と李鴻忠湖北省書記が醜態を演じ、江沢民勢力がさらに抑制される結果となっている。

 両会でやられた両重鎮

 2012年に中国共産党は、「十八大」(第18回中国共産党全国代表大会)を開き、習近平が胡錦涛を継いで総書記を務め、李克強が温家宝を継いで総理を担う見通しである。しかし、「十八大」の政治局常務委員の構成は謎のままである。現職の9人の常務委員のうち、年齢の制限により、習と李以外は全員引退しなければならない。常務委員の人数を現在の9人から7人に戻したとしても、5人の欠員がある。それを巡って、江沢民と胡錦涛の両勢力は十八大で5つのポストを手に入れるために必死に戦っている。今回の「両会」も両勢力の戦場になることは免れないと考えられた。しかし、開会中、江沢民派閥の重鎮らがしきりにやられたのである。

 3月6日に薄煕来・重慶市書記が記者会見を行った際、台湾東森テレビの記者が「マフィア組織を打撃したのは、政治的元手を手に入れ、十八大で政治局常務委員になろうとするためか」と聞いた。意外な質問に、取材の記者たちはしばらくざわついた後静まり返って、巧言で名を知られる薄煕来に注目した。

 苦しい立場に置かれた薄煕来はしばらく呆気にとられた後、ようやく「今日のような場合、パフォーマンスには合わない」と、回答にならない返事をした。

 7日、湖北省の李鴻忠省長は、湖北代表団の記者会見である女性記者を辱めたことで、世論の憤りを買っており、学界とマスコミ界から討伐する声が相次いでいる。李も江派閥のメンバーで、江沢民の愛人と言われる黄麗満に抜擢された人物である。

 両会での江沢民の一撃:『思想年編』

 両重鎮がやられたほか、江沢民本人の影響力も衰え、開会前に出した『思想年編』はそれほど役に立たなかったようである。

 政協会議は3月3日開会したが、ほぼ1週間前の2月24日に、中央テレビと新華社ネットが突然、『江沢民思想年編』を発行すると報道した。

 これについて、ウォールストリート紙は「次代中国指導者をめぐる争い」と題した文を掲載し、江沢民は十八大の後継者争いで、すでに衰えた影響力を発揮しようとしていると報道した。

 ウォールストリート紙によると、江沢民が『思想年編』を出した行為を、多くの中国人はやり過ぎと見ている。中国では思想と称されるのはただ毛沢東ひとり。江沢民は2004年の引退後も続けて国家リーダーの姿勢で政治活動を行い、これまで15年間続いた「引退後は政治不干渉」という慣例を破った。

 江沢民の挙動の真意について、江沢民は「両会」をもって胡錦涛に軍事委員会主席も辞めるようにと暗示したものと、評論家らは指摘している。

 しかし、この『江沢民思想年編』についてその後の情報は見られない。

 胡錦涛を「最高指導者」と称する新華社

 2月14日、新華社ネットははじめて、胡錦涛を「最高指導者」と称した。これによって、強いメッセージが送られたものと思われる。

 海外メディアが流した噂によると、83歳の江沢民は、昨年の閲兵式に出た後倒れた。米中国語政治情報誌『中国事務』の伍凡編集長によると、2010年になってから江沢民はずっと姿を見せていないし、中国共産党のメディアもほぼ彼に言及していない状態である。

 最近、中国民間戦略史研究者・呂加平氏はネットで公開状を掲載し、江沢民が売国奴でスパイだったということ、そして入党時期に詐偽行為があったということを明らかにし、中国共産党中央にそれらの政治的詐欺を調査するよう求めた。同氏はかつて江沢民の愛人問題やスパイ問題を公にしたことで当局に拘束されたことがある。

 呂氏によると、今回はより詳細に江沢民の問題を追及しているので、何の恫喝も受けておらず、共産党体制内の高官や国家安全局の支持を得ているという。同公開書簡は大学などで広まっているようである。

 江沢民の地位はすでに降格か

 北京五輪が行われていた際、江沢民はきわめて目立ち、メディアの報道では彼の名前は胡錦涛に次いでナンバー2であった。

 ところが、2009年12月下旬、中共の官員、阿沛・阿旺晋美(アペイ・アワンジンメイ)氏の追悼会に参加するために、江沢民は上海から至急北京入りしたが、メディアは江沢民の名前をナンバー2としてではなく、目立たない写真ニュースとともに載せたのである。

 2010年1月20日、ハイチ地震の救援活動で亡くなった8人のために国葬が行われたが、江沢民はただ花輪を捧げただけで、参加しなかった。

 この追悼会についての報道では、胡錦涛書記を大きな文字でトップに出し、呉邦国ら8人の共産党常務委員が2行目に、花輪を送った江沢民を3行目に並べた。

 中国共産党報道機関の報道において、政治的地位によって指導者の名前の序列は決まっている。このように胡錦涛が他の8人の常務委員を抜いて絶対的高位にあり、江沢民が昇格扱いされたのは、始めてである。

(翻訳編集・小林)


 (10/03/17 10:39)  





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