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中国政府が発表した不動産バブル抑制措置の影響で、北京、上海、深せん、海南省など不動産投機が盛んな都市で大量の物件が投売りされている(写真:STR/AFP/Getty Images)

大都市で物件投売りブーム バブル抑制新措置の発表で 「隔靴掻痒」と専門家は否定的=中国

 【大紀元日本4月22日】中国の不動産市場に再び激震が走っている。北京、上海、深圳(シンセン)、海南省など不動産投機が盛んな都市で、大量の物件が投売りされている。深圳、上海では一気に100軒の物件を売り出す投資ファンドも相次いだ。膨張し続ける不動産バブルを抑制するために政府が発表した新措置の影響によると見られている。

 住宅価格が高騰し続けている中国の不動産市場に中国政府はつい、抑制措置を講じた。4月17日、中国国務院は各銀行に対して、住宅価格が高く、供給が緊迫している地域で3軒目以降の物件を購入する消費者に貸付を一時停止するよう求めていることが分かった。また1年以上の納税証明や社会保険支払い証明がない非居住者へは、住宅ローンを停止することも求めている。

 14日にも、国務院常務会議で1軒目の住宅購入の住宅ローンの頭金を30%以上、2軒目の頭金は50%以上、ローン利率は貸付基準金利の1・1倍以上にすることが決定された。

 近年にない厳しい新措置は、住宅価格をつり上げてきた投資用の物件購入を抑制するためだと不動産業界は見ている。

 新措置の発表を受け、中国の不動産市場に激震が走り、北京、上海、深圳、海南省など不動産投機が盛んな都市で大量の物件が売り出されている。ある地方からの投資家は一度に総額1・3億元(日本円16・9億円)に上る20軒の物件を売り出したという。深圳、上海にも一気に100軒の物件を売り出す投資ファンドが相次いだ。

 また、新措置の影響を受け、上海・深圳両証券市場も急落した。

 「隔靴掻痒」、新措置の効果に専門家は疑問

 しかし、専門家は「本格的に不動産投機を抑制したいならば、3軒目以降の物件購入を禁止すべきだ。金のある人は貸付がなくても購入できる。貸付の停止はただの隔靴掻痒(かっかそうよう)だ」と同措置の効果に疑問を呈している。

 中国環球網が行っているアンケート「新措置は住宅価格の高騰を抑制できるか」では、78%の回答者が「できない」と新措置の効果に否定的だ。

 中国社会科学院金融研究所の益憲容研究員は「新措置を講じても講じなくても、不動産バブルはいつか崩壊する。今の新措置はバブルが崩壊するときの損失を軽減しているに過ぎない」と評した。

 中国経済体制改革研究所総合研究室の前主任・程暁農博士は「新措置は不動産価格高騰の抑制にある程度の作用があるが、本当の効果は不明だ」としている。

 同博士によると、新措置の背後に、不動産価格の急上昇を抑制したいが、不動産バブルの崩壊は避けたいという政府の思惑が隠されているという。「地方政府は土地売買の収入で財政を維持している。中国政府は不動産バブルの崩壊を懸念しつつも、地方財政の破綻も憂慮している。本当に不動産バブルを崩壊させたならば、多くの地方政府の財政も破綻し、最終的に中央財政にしわ寄せがきてしまう。不動産バブルは中央財政を維持する重要な手段であり、崩壊させたくないが、あまりに膨らんでしまうのも恐れている」と今回の新措置を打ち出した政府の意図を分析した。

(翻訳編集・高遠)


 (10/04/22 07:45)  





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不動産バブル  中国経済  バブル抑制  


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