THE EPOCH TIMES

NYの億万長者「チャンスの神様の前髪を掴め」=大根田氏

2010年07月13日 07時00分
 【大紀元日本7月13日】今、ニューヨークの日本人コミュニティーの中で一番話題の人といえば大根田勝美氏である。大根田氏は、アメリカで最も成功した日本人ビジネスマン。9日、ニューヨーク日系人会で大根田勝美氏の講演会が開催され、多くの日本人が駆けつけた。

 一時間半におよぶ講演は、あっという間に過ぎ去った。その絶妙な話術もさることながら、話しの内容は山あり谷ありでまさに「事実は小説より奇なり」を地でいくようなサクセス・ストーリー。会場は熱気にあふれ、定員数(90名)を越える日本人たちが、大根田氏の言葉を一言も逃すまいと固唾をのんで聞いていた。成功の秘訣はどこにあるのか、大根田氏の「夢物語」は、自分たちでも本当に叶うものなのか。彼は講演中、何度も「成功のためのマジック・ピル(魔法の薬)はない」と話した。一度決心したら目標に突き進む行動力と集中力、そして向上するための猛烈な努力。大根田氏の言葉に、会場の聴衆は皆、圧倒された。その内容は、今年出版された彼の著書『中卒の組立工、NYの億万長者になる』(角川書店)に詳述している。

 大根田氏は1937年に東京に生まれ、現在は72歳。戦時中は長野に疎開し、終戦後は食べ物もなく、彼一人が学校へ弁当を持っていくことができなかった。給食に出た味噌汁の底にたまった大根や菜っ葉をすくっ て空腹を満たした。疎開先の子供たちからは「東京っぺ」といじめられた。生きるために鉄クズを拾ったり、どじょうを捕まえて売ったりして何とか飢えを凌ぐ日々が続いた。大根田氏は当時の過酷な人生を「よく生きのびたものだ」と振り返る。「あの苦しかった時、『神様助けてください』と何度も叫んだが助けてもらえなかった。でも、ちゃんと神様は聞いておられ、後でそれを聞き届けてくれたのです」と穏やかな口調で語った。

  大根田氏は中学を卒業後、光学メーカー・オリンパスの工場(長野県)に就職。顕微鏡の組立という仕事に取り組む傍ら、独学で英語を学び、医療機器部門へ異動。その後も医学書を読み、医療現場で医師の技術を学び取るなどの努力を重ね、組立工出身者としては初の海外駐在員に抜擢された。ニューヨークで内視鏡のビジネスの基礎を作るが、中卒という学歴のため、出世の道を遮られることに失望し独立を決意。その後、アメリカ人ビジネスマンとベンチャービジネスに乗り出し、億万長者への道を歩んだ。

 資産総額は100億円に上るといわれる大根田氏が「夢を実現する」うえで、一番印象に残った言葉がある。彼が中学生の時、朝礼で教頭が語った「チャンスの神様」の話である。「『チャンスの神様』を逃すなよ。『チャンスの神様』は、凄い勢いでお前達に向かっ てきては去っていく。『チャンスの神様』は、前髪はぼうぼうだが、後ろ髪がなくてツルツルなんだ。向かってきた時に、しっかり前髪をつかまえておかないと、通り過ぎてからつかまえようとしても、手が滑ってもう掴めないんだ」

 講演が終わり、大根田氏から「人間万事塞翁が馬」と著書にサインを頂いた。「ビジネスにおいても人に嘘をつかず、誠実さを示すことがとても大切です」と強く握手して下さった。人生の浮き沈みを経験し、たゆまぬ努力で成功を勝ち取った氏の真摯な生き方に、改めてわが身を重ね合わせ考えさせられる講演会であった。

 
(NY=山崎)


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