THE EPOCH TIMES

1兆8400億元の地方債が満期に、インフレ深刻化

2012年03月17日 09時44分
【大紀元日本3月17日】中国国家審計署の統計によると、今年1兆8400億元規模の地方政府の債務が満期を迎えるという。しかし、中国政府が実行してきた不動産価格抑制政策によって土地需要が減り、地価が下落しつつある今、財政を土地使用権の売却などに依存してきた地方政府にとっては債務返済が難しいばかりではなく、地方政府に融資した金融機関にも債務不履行(デフォルト)のリスクがもたらされる。

 3月14日付国内紙「経済参考報」によると、1兆8400億元に達する地方政府の負債のうち、地方政府が償還の責任を負う債務は1兆2980億元で、地方政府が担保の責任を負う債務が2972億元となっているという。2011年と2012年は地方政府負債の第1償還がピークとなる期間で、総額4兆6000億元を返済しなければならないという。2016年から2018年にかけては第2償還ピークの期間を迎える。

 中国地方政府および地方政府系融資プラットフォーム会社の債務規模は2008年金融危機以降、急速に拡大した。2009年と2010年に国内の銀行の新規貸出のほとんどは地方政府系融資プラットフォームに流れた。2009年1年間だけでも、地方政府の債務は2008年末時点の5兆5600億元から9兆元にと約62%急増した。2010年の負債の年間増加率は18.86%に低減したが、地方政府の債務残高は依然増え続けていた。

 昨年6月に審計署が発表した『全国地方政府性債務審計結果」によると、2010年末時点で、全国地方政府性債務残高が10兆7000億元で、そのうち、地方政府が償還の責任を負う債務は6兆7000億元で、全体の62.62%を占めており、また担保の責任を負う債務は2兆3000億元で、全体の21.8%を占めている、政府が一定の救済責任を負う他の関連債務は1兆6000億元で、15.58%を占める。償還責任を負う債務の地方政府の総合財政力に占める比率、すなわち負債比率は52.25%と言う。

 地方政府の債務満期を迎えるに伴い、地方政府に融資を行った銀行にもリスクが高まっているとみられる。ほとんどの地方政府は融資プラットフォーム会社を設立するときに少ない自己資金で行い、必要な運営資金は銀行から融資を受けるという流れになっている。国内不動市場が過熱していた時、土地使用権の売却で財政力を強化して債務償還に充ててきた。しかし、現在不動産価格抑制政策で土地への需要が低迷し始めており、地価が大幅に下落することで、地方政府のデフォルトリスクが高まるとみられる。

 国内証券会社の高盛高華証券が株式市場に上場している各銀行が公表した統計を分析したところ、A株式市場に上場している16の銀行が持つ地方政府系融資プラットフォーム会社向けの融資は、地方政府が銀行から受けた融資全体の35%を占めているという。上場していない都市商業銀行や農村商業銀行、国家開発銀行が持つ融資規模は全体の65%に達している。これは、都市商業銀行や農村商業銀行が直面する地方政府系融資プラットフォーム会社のデフォルトリスクがより大きいことを意味する。

 在米中国経済問題専門家の程暁農氏は本紙の取材に対して、中国政府は地方債務問題を解決するためにより一層マネーサプライの規模を拡大するだろうとの見解を示した。この結果、インフレ圧力もますます深刻化すると指摘した。

 程氏は「このほど、中国政府は多くの銀行に対して、地方政府向けの一部融資の償還期間を大幅に延長するよう指示した。これは、これらの融資がすでに不良債権となっているからだ。実に、地方政府が抱えている大部分の債務は不良債権になっている」と話した。

 「しかし、このような多額な不良債権があっても、中国の銀行が倒産することはないだろう。中国の銀行は真の商業銀行ではなく、本当は中国政府の財布だ。政府の指示があれば銀行が自らこれらの債務を清算することになるだろう。銀行は株式市場への上場、あるいは発行株式を増やすことで、株投資家から資金を集めて、それらの債務返済に充てることができるが、しかし今中国の株式市場が低迷していることから、最も可能な解決方法は中国の中央銀行がより一層マネーサプライの規模を拡大させることだと思われる」と程氏は続けた。

 「地方政府の負債急増で銀行には資金不足の問題がもたらされている。中央銀行はマネーサプライの規模を拡大させることによって、銀行への資金供給量を増加させることができる。またこの方法で経済発展を維持していくと同時に、地方政府負債急増問題で生じたマイナス影響を減軽しようとする。この方向でいくと、マネーサプライの規模がどんどん膨らみ、結果的にインフレがますます深刻化し、国民の生活もますます厳しくなるの」と指摘した。

 (記者・高紫檀、翻訳編集・張哲)
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