鳥インフル 長江デルタに集中 感染源と感染者数が錯綜

2013年04月03日 15時30分
鳥インフルエンザ感染者の分布図(新京報よりスクリーンショット)

【大紀元日本4月3日】中国で発生している鳥インフルエンザ(H7N9型)で新たに4人の感染が発表され、感染者は計7人となった。これ以外にも、上海市では5人が原因不明の重い肺炎になっていることが報じられており、上海市の川で大量の豚の死骸が見つかったこととの関連性も囁かされている。

 新たな感染例は、上海市に隣接し、同じく長江の河口地域にある江蘇省で報告された。2日の同省当局の発表によると、感染が確認されたのは省都・南京市に住む45歳の女性、宿遷市に住む48歳の女性、蘇州市に住む83歳の男性、無錫市に住む32歳の女性、の4人。4人とも重体で入院中だという。

 これまで同ウィルスに感染した3人は、上海市の27歳と87歳の男性と、南京市に近い安徽省●州市(●はさんずいに除)の35歳の女性。上海市の男性二人は死亡し、安徽省の女性は重体で入院している。

 一方、香港文匯報は、2人の死者が入院していた上海市第5人民病院の内部筋の話として、同ウイルス感染とみられる死者は上海では4人だと報じた。また、同病院に近いほかの大型病院の医師の話として、3月からその病院にも5人の患者が原因不明の重い肺炎で入院しているという。普通の肺炎と違い、病状の悪化が速く、「入院時に片方のみの感染が、翌日にはすでに両肺に拡散し、症状も深刻だ」と同医師は明かした。

 感染者の中では、安徽省の女性と南京市の女性は鶏と接触していた。死亡した27歳の上海市の男性は、市場で豚肉の販売に従事していた。世界保健機関(WHO)の駐中国代表マイケル・オレアリー氏は中国メディアに、豚などの動物が感染源である可能性も排除しないと語った。

 豚は、鳥のウイルスにも、ヒトのウイルスにも感染する。特に、中国では鶏やアヒルは豚と一緒に飼育されることが多いため、鳥型ウイルスに豚が感染することは今までも起きていた。ウイルスが一旦、豚の体内に入ると、ヒトに感染しやすい変化をすることが判明している。2009年に世界で流行したH1N1豚インフルエンザ(新型インフルエンザ)もこの仕組であったと考えられている。

 家族内の感染も疑われている。上海市で死亡した87歳の男性は、息子(55歳)も同じ時期に重い肺炎で死亡している。もう一人の息子(67歳)も肺炎で入院したが、回復している。病院側の発表によると、H7N9型ウイルスに感染したのは87歳の父親のみ。また、死亡した27歳の男性は、親子と同じ病院の同じ階に入院していた。男性の妻は医師に「伝染性がある」と告げられたという(香港紙アップルデイリー)。WHOのオレアリー氏は、人から人への感染はまだ証拠がないとした一方、家族内感染の可能性は排除できないとの見解を示した。「家族3人が同じ時期に重い肺炎にかかることは、多くの懸念をもたらす」と語った。

 今までの感染例がすべて長江デルタ地域で確認されたことから、3月に長江の支流となる黄浦江などで見つかった大量の豚の死骸との関係も囁かされている。また、3月末に四川省の川で見つかった千羽あまりのアヒルの死骸も懸念を深めた。一方、上海市動物疾病対策センターは1日、豚の死骸を調べた結果、鳥インフルエンザのウイルスは検出されなかったと発表した。

 国内紙・新京報によると、全国のインフルエンザ監視機関へのH7N9型ウイルス検査キットの配布が始まった。中国疾病予防控制センターの専門家は、感染が今後、拡大する恐れがあると警告している。

(翻訳編集・張凛音)


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