【ぶらり散歩道】ー千葉篇ー 旧神谷伝兵衛稲毛別荘

2013年04月11日 07時00分
【大紀元日本4月11日】JR総武線稲毛駅西口から歩いて15分、京成稲毛駅から歩いて6分、浅間神社前を通って国道14号に出たら左折すると、300mほど先の高台に旧神谷伝兵衛稲毛別荘があった。かなり高い場所まで階段が続き、ホッと一息ついた視線の先に、ロマネスク様式のアーチが見事な洋館が建っていた。この建物は神谷伝兵衛(1856~1922)の別荘として1918年(大7)に建てられたが、1923年(大12)9月1日の関東大震災にも耐え抜いた。そして2011年(平23)3月11日の東日本大震災でも、少しの破損だけで生き延びたと言う管理人の言葉だった。

 1階ピロティから玄関を入ると右手が広間で、手入れの行き届いた寄木張りのフロアと絵が入ったマントルピースが目を引いた。2階和室のブドウの木の床柱と天井は、粋を凝らした作りだった。1枚の木からくり抜いたもっこく型の窓は、職人の技がひときわ冴えわたっていた。2階の出窓から見た残雪の庭は、早春の陽ざしの中でゆらゆらと華やいで見えた。

 “日本のワイン王”の異名を持つ神谷伝兵衛は、茨城県稲敷郡岡田村(現:牛久市中央)の原野を開墾してボルドー原産の苗木を6,000本移植して、本格的なワイン醸造に乗り出した。その旧神谷酒造醸造場事務室が現存しているシャトーカミヤ本館で、1903年(明36)に建てられて今でも優美な姿を見せている(2008年国重文)。

 しかし、1911年3月11日の地震で外壁が破損して、現在は保存修理中で見ることができないので、本館正面の一部写真を紹介する。

 
シャトーカミヤ本館正面の一部

出窓からの眺め

もっこく型の窓

床の間横の障子戸の桟は見事な出来栄え

2段の折り上げ格天井

ブドウの木の床柱

贅を凝らした洋広間

5連アーチのバルコニー

(江間十四子)
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