真偽の見極めは困難 2013年中国の嘘ニュース

2013年12月03日 08時50分
【大紀元日本12月3日】中国の報道機関はしばしば嘘のニュースを報じる。原因はさまざまで、単にうわさ話が「事実」として広まったものや、報道機関の調査不足による誤報、また共産党による印象操作や社会的重要事件から人々の関心をそらすために「事実」と称した嘘を流すことなどがある。2013年に報じられた中で、少なくとも下記の6つは嘘であることが明らかになっている。

 嘘ニュース1 「深センの最も美しい女性」

 多くの中国国内メディアは3月26日、深センの街中の路上に座る年老いたホームレスに、しゃがんで食事を食べさせている若い女性の「善行」について報じた。彼女について「深センでもっとも美しい女性」とメディアは称した。

路上生活者に食事を与える若い女性、ただのパフォーマンスだった(スクリーンショット)

 しかし翌日、この行為はメディアが「市民の社会道徳性」を飾るために取り上げた嘘だったことが明らかになる。目撃者が国営新華社通信に伝えた話では、女性は一緒にいた彼氏が撮影するカメラの前で何らかのポーズをとるだけの行為だったという。彼氏が写真を撮り終えた後、2人は老人を気にかけず立ち去っていった。

 嘘ニュース2 温州の路上生活者 700万元の保証金得る

 上海の大江ネットが3月末に報じたニュース。浙江省温州の貧しい家庭に育った朱景さんは故郷を出て、多くの都市を回る季節労働者になった。厳しい生活条件の中で9年間も全国を流浪するうち、深刻な肺結核を患った。治療のために今年3月27日、郷里に戻った。兄弟の帰還に喜ぶ故郷の家族。さらに実兄が朱景さんに驚くべきことを伝えた。家族は「村の土地開発のため700万元(約1億1200万円)の保証金を得た」のだという。

 しかし残念なことにこれも嘘であった。新華社の現代金報の記者が現地取材と調査をした結果、一家が巨額の保証金を手にしたという事実はなく「深刻に真実と異なる内容」と報じた。

 嘘ニュース3 外国人が100万元かけて5トン分の爆竹を上げた

 2013年の旧正月の際、「外国人が100万元かけて5トン分の爆竹を上げた」という映像がインターネットで話題になり、新華社長沙など全国で報じられた。しかし肥大化した嘘であることが明らかになる。ビデオは2012年の夏に湖南省瀏陽当局がインターネットにアップしたもので、内容は、デンマークの花火会社が瀏陽で小型花火を打つというものだった。その規模は100万元でも5トン分でもない。
「外国人が100万元かけて5トン分の爆竹を上げた」は嘘のニュースだったと報じている(スクリーンショット)



 嘘ニュース4 医療費革命

 2月19日、中国中央電視台(CCTV)は医療費に関する制度の大幅な変更について報じた。それによると衛生部(厚生省にあたる)は「治療費の後払い」を全国で適応するという。中国の病院では患者は医療費を前もって支払わなければならない。新制度適応後は日本の健康保険制度同様、患者は医療処置のあとに健康保険分を差し引いた残金を病院に支払うのだという。新制度は20以上の行政地区ですでに実行されている、とCCTVは報じた。

医療費改革を伝える当時のニュース(全球快報スクリーンショット)

 しかし午後になり、衛生部はこの新制度の事実を否定した。多くの市民は「ぬか喜びだった」とのため息を漏らしたが、にもかかわらずインターネットでは新制度の適応は実現すると一部で信じており「変更を期待している」との声がしばらく続いたという。

 嘘ニュース5 ネットラブ 相手は近親者

 黒竜江晨報が報じた誤報。黒竜江省牡丹江市穆棱で伝えられた、ある「恥ずかしいニュース」だ。57歳の男性、王さんはインターネットを通じてある若い女性と友人になった。懇意になった2人はホテルで会うことになるが、なんと女性は王さんの息子の妻だったという。

 しかし後に同紙は、記事は事実と異なるとして撤回し、謝罪文を掲載した。現地警察当局の調査の結果、ニュースは虚偽であり、穆棱テレビ記者の作った捏造であることが明らかになった。

 嘘ニュース6 炎天下、倒れた掃除員に傘を差し伸べる少女

 今日、中国では路上に倒れこむ人に対して救いの手を差し伸べる人はとても少ない。そんな中、炎天下が続く7月下旬に小さな少女が路上に倒れこんだ女性の清掃員に傘を差し伸べる姿が写真に納められた。写真は広東省の人気紙、新快報が8月1日「ありがとう、少女!」と題して大きく報じた。少女の優しさに多くの読者が胸を打った。

 記事によると、この女性の清掃員は広州市天河区の路上で激しい暑さゆえか熱中症で倒れこんでいた。バス停近くの通りには多くの人が通ったが助ける人はいなかった。その後、通りかかった少女が日を避けるため傘を差し出し、一緒にいた母親に「おばさんを助けて!」と叫んだ。少女の行動を見て、2人の通行人がようやく清掃員を抱き起こしたという。

 しかし後日、この少女の話は傘の広告用に作られた作話であると人民日報が報じた。この母子は広告の被写体モデルで、カメラマンら関係者は撮影のために1時間半かけ、横たわる掃除員の角度を3回ほど変えたという。母子には150万元が支払われていた。

 中国国内で報じられるニュースは嘘か真実か見極めるのが難しい。世論はニュースにより操作するという特性を知る中国宣伝部は、しばしばニュースで嘘の「善人」を作り上げて共産党が築いた社会の安定性をアピールし、一方で国内外の「悪人」を作り上げて軍事力や闘争の必要性と党の支持を訴える。

(翻訳編集・佐渡 道世)
関連キーワード
^