香港外資系銀行:中国経済のデフレ進行を警告

【大紀元日本9月28日】香港スタンダード・チャータード銀行のベテラン・エコノミストのステファン・グリーン(王志浩)氏はこのほど、80年代に日本で生じた円引き上げ後のデフレーションに鑑み、中国は当時の日本と同様の状況に陥る可能性が高いと警告した。

米ブルームバーグ情報会社の調査報告によると、中国の貿易黒字は引き続き拡大すると予測している。しかし、石油価格の高騰により、8月輸入額が18・2%上昇し、ここ3ヶ月間で初めての上昇を示した。中国の国泰君安証券研究所では、CPI(国民消費物価指数)及びPPI(工業品出荷価格)は、小幅の下降が続くと予測している。

国際経済学界の分析によれば、CPI及びPPIの資料では、上昇幅は続いているが今後の下降を予告しているとし、中国経済の軌道は下落しつつあると示した。2007~2008年度の経済は減速の傾向で、デフレの可能性が高く、警戒が必要だとした。

9月8日、グリーン(王志浩)氏は中国経済の懸念すべき7つの要素を発表した。貿易黒字による人民元切り上げの圧力、政府公債の増加が資産信用等級に与える影響、銀行の営利能力の弱さ、これ以上削減できない過小な利益率、投資に頼りすぎる経済成長、貯蓄を重視する客層の高齢化などをあげた。

グリーン氏の報告によれば、80年代の日本は貿易黒字が原因で欧米の貿易保護主義の反撃を受け、輸出縮減を迫られた。当時のデフレは日本史上、もっとも厳しい経済の不景気を経験し、日本中央銀行の利率はほとんどゼロにまで下がり、それでも国内需要の刺激にはならず、貨幣政策は作用しなかったという。報告の中では、今の中国経済を見ると、当時の日本と同様の状況に陥っている部分がすでに表れていると警告した。

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