中国上海市警察、陳情者の法廷審理を妨害

【大紀元日本12月14日】上海市黄浦区人民裁判所で審理される公判で6日、被告側の黄浦公安分局警察官四十数人が、法廷内の傍聴席をすべて占領したため、原告側の証人や傍聴許可を得た支援者らが入廷できず、結局、審理が先送りされたという。ニューヨークの人権団体「中国人権」が情報公開した。

博訊ネットによると、原告の田宝成と张翠萍夫妻はこれまで当局の強制転居政策に反対する陳情活動を続けてきた。8月19日逮捕された活動の仲間、馬亜蓮さんが釈放される日、田さん夫妻を含め活動家数十人が刑務所に出迎えに行った。しかし、被告の黄浦公安分局警察官が酷い暴力を振るい、その上小東門派出所に十数時間も違法監禁したという。その後、田さん夫妻ら4人は黄浦公安分局の強制出頭命令と行政処罰を拒否、さらに警察当局を相手に行政訴訟を起こし、健康治療費と給料損失費用などの支払いや、名誉回復と謝罪を求めた。

田さん夫妻の代理人・陳小明氏によると、出廷当日に警察官数百人が裁判所内外に駐留、入口で証人の入廷を阻止したという。中国の法律規定には、裁判所が了承した場合を除いて、証人は法廷で証言することを定められている。結局、証人が入廷できなかったため、原告側は出廷を拒否、法廷審理が先送りされた。

この事件について「中国人権」は「中国警察当局は明らかに職権を濫用、証人の出廷を妨害した。それに対し裁判所もまったく制止しなかった。結果、司法の正常な運行が妨害された」と指摘、「中国の法曹界は独立すべきで、権力訴訟案件に対し中立かつ公正な審理が必要不可欠」と呼びかけた。

中国では都市開発と建設のために、大都会を中心に全国各地で国民1千万人以上が強制転居を命じられているが、当局から相応の補償をされていない。そのため多くは当局に直訴・陳情している。しかし、陳情活動は法律で保護されず、直訴者は逮捕監禁されたり、中には精神病院に送られ薬物を強制注射されたりするなどの虐待も受けている。

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