北京、台北のアジア新問題

【大紀元日本3月6日】アフガニスタン、イラク問題、北朝鮮およびイランの核問題などさまざまな問題がいまだ解決されていないが、米国は最近、アジア危機を生み出す可能性のある北京―台北問題に直面している。

英紙フィナンシャル・タイムズは2日に、米国企業研究院政策研究主任ゲリー・スミット氏および研究員ダニエル・ブルメンタル氏の共同評論を発表、台湾海峡の両岸関係に現れた最近の緊張情勢に関心を示した。

評論文では、2月初旬に、米国ペンダゴンが発表した4年に一度の国防予算報告の中で、過去10年間毎年2桁の軍事支出増長を成している中共が、区域軍事均衡を脅かしており、米国にとって最大の潜在的脅威になると示した。

一方、米財務長官ジョン・スノー氏は米議会に対して、中共当局が4月前に為替政策を変えなければ、為替操作国とみなし、対中貿易政策による強硬手段をとるとの見方を示した。また、ブッシュ大統領は、中共が世界貿易機関(WTO)に加盟した際、特に知的財産権、労働権利および国内市場開放等における約束の不履行に対して、不快な意を示した。また、中共政権がジンバブエ、ベネズエラ、キューバ、スーダンその他の問題国家を支持する政策は、多くのトラブルを引き起こしており、中共当局が国際体系の中で責任を負うことを考えていない事に気づいたという。

さらに、陳総統が28日に「国家統一綱領」を廃除したことによって、台湾海峡の両岸に現れた緊張情勢は、米国が新たな問題に直面することとなった。

評論文の中では、中国大陸および台湾の経済は非常に密接な関係にあり、陳総統は台湾および中共の政治は、それぞれ独立している事実を国際社会に知らせるために、「国家統一綱領」を排除したと分析した。また、同見解は決して一党のみの観点ではないとし、台湾国民党党首・馬英九氏もすこし前に、国民党は台湾人民が自ら未来を決める権利があるとし、統一にしろ、独立にしろ、または現状維持にしろ、民主国家にいる台湾人は自分で選択する自由があることを主張した。

両岸の政治政策の相違によって、互いに遠く離れつつある。米国は現状を維持し、平和かつ両岸の経済発展を望む政策は、暫時のものとしては理解できるが、中共の独裁政治および野心が現れ、台湾の民主意識と逆行した時に、米国の同政策は何時まで維持できるのかが問題である。

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