ニューヨーク・タイムズ紙:米・印・中の三角関係を分析

【大紀元日本3月8日】ニューヨーク・タイムズ紙は1日、米国外交関係委員会の公式ホームページの特約ライター、エスター・パン氏の論評を掲載、エネルギー貿易国防安全保障等の問題について米・印・中の三角関係を分析した。

専門家の多くは、ブッシュ大統領が1日に任期内で初めて訪印したのは、米印両国の関係を安定強化し、中共のアジアにおける影響力を長期に渡り牽制する手段の一つであるとみている。

専門家らは、インドおよび中共はともに外交政策の目標を追求する自信があり、それぞれ自国をアジアの政治的経済的一角にしようと企図しているという。しかし、インドは対中外交の明確な路線を定めていないという。米インディアンナ大学・インド文化文明専攻、シュミット・ガングリー教授は、「インド人は中共とどのように関係を発展させればよいか不明」と語った。

中印関係に影響する主な要素は何か?

エネルギー

インドは石油需要量の75%を輸入しており、それに対して、中共は33%を輸入している。両国の石油需要の増長により、石油価格の高騰に及ぶ可能性が強いという。実際、中共はエネルギー所要のために、スーダン、ナイジェリア、アンゴラ等アフリカ諸国から、ミャンマー、チベットおよびロシア等国まで交易をすでに行っている。中・印は1月、双方による価格競争を避けるためエネルギー協議に合意した。

貿易

2005年「インド経済商業」誌・秋季号によると、中印の相互貿易額は1992年の3.32億米ドルより2005年の136億米ドルまで成長したという。1999年より両国の貿易額の成長率は、毎年30%を超えているという。一部の専門家は、「インドが中国に鉱物、低付加価値製品を供給する国になってしまうのではと懸念している」と指摘した。

境界

中印両国は、ヒマラヤ山脈における領土の紛糾が絶えず、1962年の境界戦争がその一例である。インド側は、中共がカシミール地区の領土を不法占領したと指摘、これに対して、中共はインド東北部のアルナチャル・プラデーシュ地方の土地主権を主張。

国防安全保障

インドの政府が1998年に核実験を行ったとは、当局は「中共に対する威嚇」であると発表した。ガングリー教授は、「中共がパキスタンに対し、核兵器、通常兵器製造に協力して以来、中共・パキスタン双方の核兵器がインドにとって脅威になった」と語った。

印米関係は?

米印両国は過去数年間、協力連盟を築いてきた。ブッシュ大統領は2月22日の講演で、米印関係は今が最高であると発表した。前駐インド・米国大使ロバート・ブラックウイル氏は2月23日の委員会会議で、「米印両国間に正式の連盟を結ぶことはないにしても、相互協力は引き続き強化される」との認識を示した。

中共の米印関係における役割とは?

専門家によると、インドは米国とより親密な関係を結ぶことにより、南アジア・インド洋地域における集団安全保障を強化、中共・パキスタンに対し、軍事的優勢を保持したいのだという。

米印関係の改善は、米中関係にどのように影響するか?

国際市場、エネルギー資源、安全保障等において中共が新興の競争者になったことを米国は明確に認識している。専門家は、米印関係の親密発展は中共を牽制するためにあるとの認識を示し、米国がインドと民生用核開発協定に合意した背後には、これがあると示唆した。

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