バチカン:中共の新主教任命に抗議の声明

【大紀元日本5月5日】ローマ法王は4日、中共による二人の新主教任命に対し声明を発表、中共の一方的な任命は「宗教自由に厳重に違反している」と強く抗議した。バチカンのスポークスマンは、中共の行動は非常に不満であると伝えた。

声明では、バチカンは中国と「真意的かつ建設的な会話」を望んでいるが、中国カトリック教愛国協会の一方的な行動を容認できないと表明。また、中国国内からの情報を引用し、中国にいる主教と信者が、任命事件において「教会以外の機構」からの巨大な圧力と脅威を与えられたとし、これらの任命は、「非合法」であり、「良識」に反しているとした。

中共に管理されているカトリック教愛国協会が任命したのは、馬英林氏と劉新紅氏。

同協会は先月30日、バチカンの強い反対を押し切り、愛国協会秘書長・馬英林氏を雲南省昆明区の主教に任命した。中共側は、バチカンに対して、馬氏の新人事を承認しなければ、双方の外交関係を妨げる事になると脅かしたという。

BBC報道によると、河北省邢台教区の神父を務めた馬英林氏は、1998年から中国カトリック教主教団の秘書長に就任し、カトリック教愛国会副主席および全国人大代表等の職を兼任し、地下教会に対して強く反対しているという。カトリック教アジア通信社によると、バチカン上層部は、中共側が行った馬氏の任命について、「明らかに政治対策である」との見方を示し、また、26人の候補者の大部分は神父ではないことから、ローマ教皇庁は中共の選挙方法に異議を示されたという。さらに、バチカンは馬氏の聖職経験が不足しているとし、内陸会の指導層との関係が密接にしていることから、昆明区の主教就任を支持しないことにしたという。

中共が任命した二人目の主教・劉新紅氏は、安徽省ポンプ(蚌埠)市の神父。今月3日に安徽省ウフー(芜湖)区の主教として任命された。情報筋によると、劉は2月、バチカンからの承認をもらっていないという理由で、任命を拒否したことがあったという。

報道によると、40代の劉は上海の修道院の卒業。バチカンはすでに劉の背景調査を完成、任命の申請を正式に否定したという。劉は、バチカンの否定を無視して主教に就任するとしたら、バチカンに非合法主教とされる。

中共外交部が4日発表した声明の中、二人の新主教任命は、中国カトリック教聖職者と信者の「尊敬と積極の賛美」を得たと発表した。声明は、二人の任命は、「民主選挙」で選ばれ、バチカンの批判は「理由がない」という。

少し前、中共カトリック教愛国会副主席・劉柏年氏は、中国ではまだ44の教区に主教がいないと発言した。

バチカンおよび中共の外交関係改善に尽力したカトリック香港教区の陳日君枢機卿は、4月29日に、バチカンは馬氏の主教昇進は認めないとし、ローマ教皇庁が通知した内容を繰り返して声明発表をした。さらに、昆明教区へ馬氏を含む祝典礼拝を行う主教らに対して、同祝典礼拝を中止するよう呼び掛けた。陳枢機卿は、ローマ教皇庁の許可を得ていない状況で、聖職関係者に対し圧力をかけ、祝典礼拝を強行させるいかなる者も、バチカンおよび中共両者の談判を故意に破壊することであると指摘し、国家最高指導者へ同強要行動を阻止するよう呼び掛けた。

情報筋によると、2000年にも同様な主教任命の人事問題が発生したという。当時、カトリック教愛国会は同年の1月6日に、12人の新主教の就任祝典を開く計画でいたが、内の7人候補者はローマ教皇庁の許可を得ていないことが分かり、祝典の参加を拒否したという。当時、愛国会主席・傅鉄山氏等のみが祝典に参加し、一部の神父、信者およびその他、招かれた主教らは参加しなかったという。

中国は約一千万人のカトリック教徒がいる。一部の教徒が、中共が認めた愛国カトリック教会に参加したが、一部が、中共の弾圧を受けている、バチカンとつながりがある地下協会に参加している。

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