旧ソビエト体制下の風刺作家・ズィノビエフ氏逝去

【大紀元日本5月12日】旧ソビエト反体制派の風刺作家で「蛇行する高み;ヒト科ソビエト種(Yawing Heights and Homo Soveticus)」の著書で知られる、アレクサンダー・ズィノビエフ氏が脳腫瘍のため10日、逝去した。享年83歳。

哲学者でもあるズィノビエフ氏は、ソビエト体制化の庶民生活を風刺してソビエト国外に亡命、20年以上を海外で生活し、1999年に帰国してからも「ポスト共産ロシア」を同様に強烈に風刺した。昨年のインタビューでは、標的を共産主義からロシアに変更、「私の立場は自らの著書すべてに顕れている。私の著作は私の本音」と昨年9月にモスクワ・エコー・ラジオに語っていた。

妻のオルガ氏がAFPに語ったところよると、ズィノビエフ氏は脳腫瘍のため10日深夜に亡くなったという。遺体は埋葬される15日までモスクワ国立大学(MGU)に安置され、弔問客を受け入れるという。

ズィノビエフ氏は、モスクワ国立大学で哲学を修め、70年代に著わした風刺作品のため海外生活を余儀なくされ、その大部分を西独で過ごした。80年に著わした「ゴルゴダに行け(Go to Golgotha)」では、同じくアイルランドの風刺作家ジョナサン・スイフト氏と比較され、ロシア人の苦しみを好む変質的な性質を風刺、「私たちロシア人の歴史は苦難に満ちており、苦しむことがライフスタイル、本質のようになってしまった。ロシア人には苦しむ才能があるかのようだ。ロシア人が世界の文化に与えたのは、共産主義、スパイ、ウォッカ、偶像、マトリョーシカではなく、第一級の苦しみ」と述べていた。

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