中国代表団の国際会議退席騒動、セキュリティ技術不採用の不満表明

【大紀元日本6月19日】6月上旬にチェコで開かれた無線LANセキュリティ技術の標準化を論じる国際会議の席で、米電気電子技術者協会(IEEE)のIEEE 802.11i規格が採用され、中共側の提案したWAPIが不採用とされたため、中国代表団は審議が不公正であると抗議し、全員が退席する騒ぎとなった。

AP通信の報道では、米電気電子技術者協会(IEEE)は中国の指摘を否認すると同時に、中国は規定のルールを遵守しなかったと反論した。

今回のセキュリティ技術の標準化で決められる規格バージョンは、未来のコンピューター業界、通信業の共同規格になり、急激な発展を遂げている無線LANネットワーク通信と深く関連するため、各界はこの問題を注目している。

国際標準化機構(ISO)に米電気電子技術者協会(IEEE)がIEEE 802.11i規格を提案したのに対し、中国ブロードバンド無線IP標準工作組(BWIPS)はWAPI規格を提案した。

本年3月、ISOのメンバーである25カ国の代表が投票した結果、IEEE規格が多数のため、WAPIの国際規格採用が却下された。後に中共の政府メディア「新華社」は、「これは汚い手段でWAPIを排除した結果」と批判し、国際メディアは中国側の対応は感情的と報じた。

WAPI規格は、かなり前から議論を呼んでいた。同技術は2003年

中国独自規格WAPIは、セキュリティー技術で不採用となった=写真は、5月23日に北京で開かれた国際ハイテク・エキスポで新型の携帯電話に触れている来場者(Getty Images)

に中国が発表したもので、当時は、外国企業がWAPIのライセンスを受けることはできず、外国企業がWAPI規格に対応した無線LAN製品を中国国内で販売するには、その製品の詳細な技術情報を中国企業に公開して製造することが定められていた。一時は、中共側は国内でWAPI規格の使用を義務づけ、IEEEの802.11規格の無線LAN製品の販売を禁止しようとしたが、結局国際社会の猛反対にあい、実行できなかった。

ニュー・ヘイヴン大学のヘイリー教授は、WAPI規格は不正アクセスを見落す危険性があり、これは最も論争されている問題点であると指摘、中共側はその技術的な不備を解決しようとしていない、言動が不一致と述べた。

一方、IEEEは声明文の中で、WAPIが既存の無線LAN技術との後方互換性に欠けていることなどと挙げ、もしWAPI規格が標準化された場合、余分な費用が必要の上、便利性も優れていないと強調した。

(記者・李景和)
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