【歴史物語】一人前の男とは何か

昔、景春という人が孟子に言った。「公孫衍張儀こそが真の大丈夫(立派な男)とは言えませんか?二人が一旦怒り出しますと、各国諸侯はびくびくして落ち着かなくなります。彼らが毎日平穏に過ごしていれば、世の中の至るところが平穏となるでしょう。」公孫衍、張儀は共に魏国の出身で、諸侯に自分の政見を説いて回り、連衡を勧め、諸侯が互いに攻めあうように操る策略家であると言われていたため、彼らは恐れられたと言う。

 孟子は、「これは大丈夫とは言えないでしょう。君は礼を学んだことがないのですか?男子は20歳を過ぎますと「冠禮」を行い、両親から成人後に遵守すべき道徳規範を教わり、女子は嫁ぐときになると、母親から人妻になる際の心得を教わるのです。女子は「姑を敬い、言葉に気をつけて慎重に行動し、夫に逆らわないように」と告げられるのです。公孫衍、張儀のように相手に阿諛迎合することを正当な規範とするのは、婦女子の道に過ぎません」と答えた。

 さらに、孟子は「志を立てる際、天下を包容するこころが必要であり、天下の真中に立ち、もっとも正直な道でなければ歩まないのです。理想が実現できるならば、民衆とともに前進し、理想が実現できないならば、自分ひとりで道を歩み、個人の道徳修養に専念します。財産と地位は其の本性を乱すことはできず、貧賎は其の志を変えることができず、威勢武力は其の身を屈従させることはできない。それこそがまことの大丈夫と言えましょう」と付け加えた。

 

文/李剣(「孟子」より引用、【正見ネット】より転載)

 

 

 

関連記事
最近、インターネットサイトでは第二次世界大戦中にバミューダトライアングルで失踪した米軍の4機の爆撃機が火星の上空で飛行しているとの説が流れている。 米国「世界ニュース週刊」は
童謡「ほたるこい」の甘い水ほうほう ほたるこいあっちの水は にがいぞこっちの水は あまいぞほうほう ほたるこい 「ほたるこい」を作詞・作曲したのは、三上留吉さん(1897-1
インドの9歳の女の子ラビナセリちゃんがこのほど、マイクロソフト社の専門家認定試験(MCP)に合格、世界で最も年少の同社認証専門家となった。MCPは国際公認の権威あるIT試験
豚骨ラーメンと言えば九州では大変ポピュラーな食べ物。豚の骨を長時間煮込み、骨髄からでる旨味をスープのだしとして使用するラーメンである。ラーメンの種類の中では大変人気が高く、現在
東京にも、こんな水郷の風景が残されていたかと思う。写真手前の岸辺は葛飾区の水元(みずもと)、対岸は埼玉県三郷市になるから、東京のはずれとはいえ、確かにここは東京23区内である。
インド人と約束した場合、インド人に「30分あれば、約束の場所に着きます」と言われたら、信じないほうが良いのです。インド人の時間概念は「自己流」で、時間感覚は全世界のどこ国の人とも違うからです。インドにいる外国人、特に「時は金なり」を座右の銘にしている外国人は、最も悩んでいるのがインド人の時間感覚のことなのです。アレックスは全世界TOP10の紡織機部品製造・販売会社のインド支社の代表として、毎週インドの各都市を飛び回り、販売業者に会ったり、その販売業者と一緒に取引先を訪問しています。
キャンプなど屋外で火を起こす場合、木の棒を擦って摩擦熱により発火させることが真っ先に頭に思い浮かぶかもしれない。もっと容易な方法がこのたび、Youtubeで公開された。キッチンにあるプラスチックの袋で火を起こす方法だ。
病魔に襲われ、日常生活もままならなかったベトナムの若い尼僧、グエン・ホアン・エンさん(Nguyen Hoang Uyen)。彼女は古代中国から伝わる修煉法で心身の鍛練を行い、ガンを克服しました。修煉の世界では、「不二法門」と言って、二つの信仰を同時に持つことは禁じられています。彼女は自分がいた仏門を出て、中国の修煉法を頼りに、新たな道を歩むことにしました。これは、実際にあったグエンさんの体験記です。