中国:「移動処刑車」の実態

【大紀元日本7月6日】USA Todayの報道によると、中国では近年、死刑執行方法を銃殺刑から「移動処刑車」での薬物注射に変更しつつあるという。当該車の製造会社は、薬物注射は銃殺よりもより人権に配慮し、素早く安全であると主張している。しかし、中共は以前から死刑囚の臓器を摘出し、売買していることを人権団体などから非難されており、この移動車がそれにますます拍車をかけるのではないかと、懸念が広がっている。

中国における死刑執行の数は、世界でもダントツに高い。アムネスティー・インターナショナルは、2005年には少なくとも1,770人が中国で処刑されており、実際の数はそれよりはるかに高い8,000人に上るだろうと発表している。世界ではアメリカとシンガポールのみが薬物注射を導入していたが、中国も銃殺による公開処刑から、「移動型処刑車」による密室での死刑執行にシフトさせている。中国社会科学院のLiu Renwen 氏によると、近年では薬物注射が全体の40%を占めているという。

銃殺に代わって導入されている「移動型処刑車」の外見は、一見普通の警察車のようであり、車内は救急車と同じような設備が整っている。死刑囚を寝かせるベッド、死刑執行が合法に行われたことを記録するためのビデオ、亡くなった死刑囚を安置する場所なども設置されている。処刑車は全国どこにでも移動することができ、死刑囚は薬物注射により30秒から60秒で苦痛を感じぬまま死に至るという。

該車の製造会社は、「この移動車があれば、死刑執行の施設を建設するためのコストを削減することができる。他の場所で銃殺するより、罪を犯した場所で、死刑執行した方が、インパクトがある。この移動車はそれが可能」と話す。

一方、薬物注射による死刑は、近年中国で増加している「臓器ビジネス」に拍車をかけるものと指摘する声も上がっている。アムネスティー・インターナショナル香港支局のマーク・アリソン氏は、「薬物注射には、医者が介入する。臓器を摘出するとすれば、薬物を使用した方が、銃殺より、よりスピーディーに、効率的に行うことができるだろう」と述べた。アリソン氏は、中国での臓器ビジネスには警察、裁判所、病院が絡んでいるという強力な証拠があると主張する。

今年3月、中共は臓器売買を禁止する法案を可決し、7月から施行した。アリソン氏は、「臓器は非常に高く売れる。新しい法案が功を奏するとは思えない」と述べた。

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