【ベルリン便り】ヨーロッパを襲った記録破りの熱波

【大紀元日本7月29日】1900年に気象観測が始まって以来といわれる熱波ヨーロッパを襲っている。ドイツの北東の隅にあるベルリンも例外ではない。

6月のサッカーWMフィーバーの高まりに同調するかのようにベルリンの気温もうなぎ登りに上昇し、以来7週間以上、30度、35度を越す日が続いている。例年なら、太陽を求めて、地中海やアルプスに繰り出すベルリンっ子たちだが、今年はベルリンにいながら、真夏の太陽を満喫している。

一方、1ヵ月以上も続く真夏日はまれな土地柄、一般家庭やマイカーはもとより電車やバスなど公共交通機関にもわずかの例外を除いて、エアコンの設備はない。続く猛暑と日照りは、日々の生活や環境に深刻な影響を与えている。毎日の新聞には「熱波による・・・」「暑さと日照りのために・・・」という見出しが増えている。

ベルリンを取り巻くブランデンブルグ州はベルリンの台所的存在で、首都の人々に新鮮な野菜や果物を提供しているが、ここでの環境被害について地元の「Der Tagesspiegel」紙は次のように報道している。―7週間に及ぶ日照りと高温でブランデンブルグは熱帯草原の様相を呈している。緑の草原は大部分が茶色に変わり、木の葉はしおれ、収穫は50%減。小川は干上り、大きな川も歩いてわたれるほど水量が減っている。森林火災は今年に入って110件、175ヘクタールが消失した。―

また、ドイツでは数少ない原発については、―原子力発電所は冷却水を川から引いているので、水温の上昇により稼働率50%に―

熱さに慣れていないベルリンっ子にとって、健康への影響も深刻で、ラジオやテレビでは「水を飲もう」「仕事はゆっくりしよう」「空気の入れ替えは朝のうちに、窓を閉め、カーテンを引いて熱気と日光を遮ろう」と毎日のように呼びかけている。それでも、特に高齢者にとっては過酷な暑さで、循環器障害などで病院に運ばれる人が後を断たない。

ベルリンの「Meteomedia」によると、日照りは続いているがベルリンは地下水が豊富で、7月の集中豪雨でさらに水量が増えた。水不足の心配はないという。しかし、「Berliner Morgenpost」紙は次のように伝えている。―街路樹が早くも葉を落とし始めている。小鳥や小動物の飲み水が足りない。地元の自然保護団体が「家の前の街路樹に水をやろう」「小鳥や針ねずみのために庭やバルコニーに水を!」と市民に呼びかけている。また、湖や河川の水温が平均26度を越えて水草が異常繁殖し、酸素が不足している。そのため、大量の魚が死の危機に瀕している。― 

(ベルリン記者=門脇)
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