ロシア警備艇の銃撃でカニ漁船一人死亡=北方領土・貝殻島付近海域

【大紀元日本8月16日】第一管区海上保安本部(小樽)に16日午前入った連絡によると、同日朝、北方領土歯舞諸島の貝殻島付近で、北海道根室市の根室湾中部漁業協同組合所属カニかご漁船「第31吉進丸」(4.9トン、坂下登船長)=根室市温根沼=がロシア国境警備艇から銃撃を受け、拿捕(だほ)された。同本部が受けた報告では、乗組員4人のうち1人が死亡したという。首相官邸では、事件に対応する危機管理センターに情報連絡室を設置。政府筋によると、調査を経て全容が明らかになれば、過剰な武力行使であると政府として抗議する構えだ。

調べによると、銃撃され死亡した乗組員は根室市の盛田光広さん(35)と判明。他の乗組員は無事であるという。 北方領土周辺の海域で日本の漁船が拿捕されるのはめずらしいことではないが、ロシア警備艇に銃撃され、死者が出たのは旧ソ連時代の1956年10月に乗組員1人が死亡して以来、50年ぶり。

事件があった海域は、日本では北方領土、ロシアでは南クリル諸島として領土問題が争議されているところで、戦後60年経った今もなお進展はなく、平和条約が締結できない原因となっている。

北方四島の中でも、歯舞群島の貝殻島は北海道根室市の納沙布岬からわずか3・7kmのところに位置している。四島は太平洋戦争終結後の1945年に当時のソ連が占領し、島民約17000人を強制退去させ、実効支配が続いている。最近では、色丹島と歯舞諸島の二島返還が論議されたが、日本政府は四島一括返還を主張している。

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