中国の大学入試:巨大な圧力のために自殺する学生たち

【大紀元日本8月18日】 年に一度行われる統一試験大学入試)が始まった。今年は950万人が試験を受けたが、精神的な圧力に耐え切れず、自殺した学生は少なくないという。

6月7日から始まった中国での大学入試を前に、中国各地から自殺をはかる学生の報道が相継いだ。陜西省のあるサイトの情報によると、大学入試を目前に控えた湖南長沙市の高校3年生は、あまりにも大きな圧力のために、何度も自殺をはかっていた。6月5日、外で散歩をしたいと言って、一人で家を出てから、心配になった家族がバイクで後を追ったところ、この学生は、長沙市の駅で、高速で運行している電車に向かっていきなり走り出し、その場で死亡した。

また今年5月、安徽省のある高校3年生はマンションから飛び降り、自殺した。優等生であったこの学生は、試験を前にして、不眠症になり、問題を解くときも集中できなくなっていたという。遺書には、「お父さん、お母さん、申し訳ありません。私は記憶力をなくしたため、大学受験ができなくなったのです。もう会う面目もありません」と書かれていた。

アメリカのテキサス工科大学教育学院の藍雲教授は、中国の大学入試制度が学生にもたらす圧力があまりにも大きいと指摘している。

「中国において、一度の試験で一生を決めるような現行の制度には、根本的な改善が見られない。アメリカでは何度も試験を受ける機会がある。例えば、アメリカの大学入試にあたるSATとATTは、国が組織するのではなく、テストセンターが運営している。35ドル支払えば、もう一度試験を受けることができる。このようにすれば、一回目に実力が出せなかったとしても、あまり大きな圧力にはならなくて済む。中国の教育制度も、一回だけの試験結果ではなく、学生たちに何度も試験を受けさせることで、その学生の学力をより適切にはかることができるような制度を取り入れればもっと良いのではないかと思う」。

「私は、あるサイトでこのような記事を見た。今年一月、温州市のある中学2年生の女の子は、期末試験を受けるため会場に来たが、学校の指示通りに髪を結ばなかったため、クラスの担任に、試験会場への入場を拒否された。彼女は急いで髪を結び、会場に戻ったが、試験はすでに始まっており、再入場することはできなかった。この女の子は泣きながら、母親に電話した後、学校近くの川に飛び込んで自殺を図った。つい最近、この学生の両親は、温州市の中学校と担任の先生を裁判所に起訴している」。

「中国の学生が大きな圧力に耐えられないのは、両親からの期待があまりにも大きすぎることが原因の一つだと言える。学校側と社会は、学生たちに対するカウンセリングの環境を整えるべきであって、すべての人には、著しい感情の起伏がある。このような状況のもとで、家族からの圧力により、極端に走る学生も少なくない。合理的な教育方法で学生たちを導けば、先ほど挙げたような悲劇は起こらなかったであろう」。

関連記事
香港では「国家安全法」を導入したことで、国際金融センターとしての地位は急速に他の都市に取って代わられつつある。一方、1980年代に「アジアの金融センター」の名声を得た日本は、現在の状況を「アジアの金融センター」の地位を取り戻す好機と捉えている。
メディアのスクープ話が世の中を動かす。特に最近は「文春砲」など週刊誌メディアの元気が良い。同時に報道のありかたが問われている。国が国民の幸福を奪うことがあったら、ある程度、国家権力の作ったルールを逸脱する「反社会性」を持ち、戦わなければいけない時がある。記者は反社会的な面を持つ職業で、メディアは反社会性を持つ企業なのである。
米空母、台湾防衛態勢に 1月29日、沖縄周辺海域で日米共同訓練が挙行された。日本からはヘリコプター空母いせが参 […]
上川陽子外務大臣は、パナマ在留邦人及び進出日系企業関係者と昼食会を実施した。日・パナマ間の経済分野における協力の可能性や課題、教育などについて、意見交換を行った。
2月23日午後、上川陽子外務大臣はパナマ運河視察を行った。日本が主要利用国であるパナマ運河の安全かつ安定的な利用環境確保に向けた連携を維持すると表明