土用のうなぎになぜ山椒

【大紀元日本8月18日】土用うなぎを、なぜ山椒とあわせて食べるのか。うなぎの臭味を消すため、或いはうなぎの油っぽさを消すためという説があるが、確かなことは分からない。

食文化として長い間伝えられてきた習慣には、必ずそれなりの理由がある。漢方医学の立場から考えれば、その理由は非常に理解しやすい。土用の時期は湿気が多いため、胃腸の機能が湿気によって弱くなり、食欲不振や消化不良を起こしやすい。また、うなぎは栄養満点だが、確かに油っぽくて消化が悪い。そこで、うなぎに山椒の粉末を組み合わせれば、この問題を完璧に解決できるのである。

山椒は生薬として使う場合に、湿気を追い払い、胃腸を温め、消化を促進する効果がある。もちろん、うなぎの油っぽさを消したり、臭味を消したりする効果もあるので、最適の組み合わせである。

このような食文化は、他にもたくさんある。例えば、刺身に紫蘇の葉、おにぎりに紅生姜を添えるなどもそうである。生薬の本を調べてみれば、紫蘇や生姜には、魚や蟹などの毒を消す効果がある。これをあわせて食べれば、食中毒の予防効果が発揮できる。

同じやり方は、中国でも見られる。例えば、四川省の麻婆豆腐は、「麻」と「辛」が強いのが本場の味である。「麻」とは、調理をするとき、たくさんの山椒の粉末を使うので、食べるときに舌の痺れを感じるという意味である。四川省は湿気が多いので、湿気を払い、胃腸の機能を活発にさせるための工夫であり、土用のうなぎに山椒と同じ意味である。

(漢方医師 甄 立学)
関連記事
 【大紀元日本4月23日】健やかでたくましい成長を願い、幼い男の子に送られる五月人形。人形のモデルはあの有名な金太郎です。しかし、話の内容に関しては、他の御伽噺と比べて一般的に認知度が低いようです(フ
新型コロナウイルス(COVID-19)が世界中に広がり続けている。最近の研究で、プロバイオティクスは、新型コロナワクチンを接種していないが、感染者と接触したことのある人の感染リスクと症状を軽減することがわかった。
OpenAIの元創業メンバーであり、マーケティングを担当していたシニアディレクターのザック・カス(Zack Kass)は、インタビューで、AIの持続的な発展により、ビジネス、文化、医学、教育などの人の職業や専門職を取って代わるだろうと語り、将来、人の雇用が減少し、そして「おそらく人類最後の技術的発明」になるだろうと心配しています。
5月16日は、松尾芭蕉が奥の細道へと旅立った日(元禄2年=1689年)です。
中国の王朝の歴史を覚えるのは難しいという人は、まず秦(紀元前221-紀元前206年)から入ることをお勧めします。秦は、最も短命の王朝でしたが、史上初めて中国全土を統一し、郡県制を整え、使用する字体を篆書(小篆)に統一し、万里の長城や兵馬俑を残しました。