中国甘粛省:蘭州商学院で学生と警察が衝突

【大紀元日本9月24日】中国蘭州商学院において12日、学生数千人と警察衝突し、パトカー1台が破壊された。学校側官員は、責任の所在は、社会化(大学ではなく民間会社が運営すること)された宿舎の管理における深い矛盾にあるとしている。

蘭州商学院において12日、女子学生が給湯室の職員に殴打される事件が発生した。これが原因で、学生宿舎区域にいた多くの学生、事件後に現場に駆けつけた約50人の公安との間で衝突が発生した。香港人権民運情報センターの報道によると、学生は、現場に駆けつけた公安が相手をえこひいきし、処置をとらなかったことから不満を爆発させ、レンガの破片や瓶でパトカーを攻撃した。その結果、パトカー1台が破壊された。また、事件は約5時間に渡って続いた。

*商学院側が事件の発生を認める*

蘭州商学院宣伝部の石部長は、VOA中文部記者の取材を受けた際、事件が発生したことを認めた。部長は「この件について、我々は省に全てを報告している。しかし、この件について語ることは厳しく制限されているので、気軽に申し上げることはできない」と述べ、事態は既に落ち着き、学校側は、現在、急いで善後処理を行っており、専門の作業班がこの業務にあたっているという。

香港人権民運情報センターの報道によると、中国における大学の学費がますます高騰し、卒業後の職探しがますます困難になる中で、大学における憂鬱、不満、これらを発散しようとする感情が高まり続けているという。

蘭州商学院宣伝部石部長は、取材の際に、蘭州商学院で、12日に発生した学生と警察の衝突は「学費とは無関係」で、管理上の問題であり、問題が発生したのは、学生宿舎の経営単位が原因であるとし、「こうした人々の管理理念と、我々大学の管理との間にはギャップがある。彼らは、管理に際して学生を中心に考えず、学生に奉仕しようとする意識、バックオフィス業務をしっかりやろうとする意識がない。こうした問題がいくつかの衝突をもたらしたのであるが、これは管理上の問題である」と述べた。

*蘭州商学院宣伝部官員:責任は学生にはない*

石部長は、「学生のほうで騒ぎを起こしたと見なすことはできない。我々は、学生に対して非常に同情している」とし、この事件の責任は学生にはないとしている。

また、石部長によると、現在、こうした問題は、社会化された大学宿舎を持つ所全てにおいて発生している。彼によると、学校の運営能力の限界上、学校に学生の住居を手配する能力がないことから、政府は社会化を通じて大学生の宿舎やバックオフィスの保障の問題を解決しようとした。大学生に係るバックオフィスの保障の問題は、一度社会化の道を進むと、矛盾が先鋭化し、学生は、学校がこれらの業務を民間会社に移管した後には一切関知しないものと考えているという。他方、こうした会社から見れば、宿舎に住むからには必ずお金を払うべきであり、何をするにしてもお金を払ってからでないといけないと考えているという。

石部長は「今回の事件と、我々が大学のバックオフィス業務を社会化した当時の思いには乖離がある。この乖離は、深層にある矛盾を反映している。そして、この問題をめぐって群衆性の事件が発生したのであることを踏まえると、問題の表れ方が比較的突出している。ここでは、流血を伴う衝突が確かに発生した。学校としては、非常に心が痛むことであり、こうした事件が起こってほしくないと考えており、事件を非常に重視している」と述べた。

*責任は管理人員の質にあるとする学校側*

香港人権民運情報センターによると、中国政府が今年発出した《国家大規模群体事件応急預案》は次のように規定している:大学における集団事件がコントロールできなくなり、校門を出てデモ、集会、請願を行った場合、事件は“特別重大”とされ、大学のサイト上に広範囲で共同行動を呼びかけたり、煽動あるいは人を惑わせる情報が出現したりした場合もまた、「重大」群衆事件とされる。

石部長の見解によると、こうした問題が発生したのは、主として個別の管理人員、雇用した人員の一部の質が劣っていることによるという。「次のように述べている:“現在、こうした大きな事件が発生したのは、集団に害を及ぼす者がおり、こうした管理人員の質が劣っていることにより、社会に対し、好ましくない影響を及ぼした」と述べている。

蘭州商学院は、1958年に建設され、黄河上流の甘粛省、青海省、寧夏省で、唯一中央と地方が共同で建設した財経系を本科とする大学である。学校は、本科、専科合わせて12000人余り、修士研究生164人余りの学生を擁している。

[VOA14日=香港、記者・致遠]
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