米2006年度中国人権報告:死刑囚からの臓器摘出を指摘、人権状況の連続後退

【大紀元日本9月27日】米国務省と米連邦議会中国委員会は9月20日、2006年度の中国人権報告を公表した。同報告では、これまで中共が確かに死刑犯から臓器を摘出し、その過程においては世界保健機関の国際規範に違反したことを指摘している。公聴会に出席した学者は、米国務院と関連の行政部門は継続的に中共の人権と法治を改善するように促し、公正で独立した司法体系を確立すべきと示した。

中国衛生部の黄潔夫副部長は去年7月、中国では移植臓器の多数は死刑囚によるものであると公言した。今年、更に海外からの医学、法律専門家の報告では、中国が死刑犯本人の同意を得ていない情況の下で臓器狩りを行い続けることについて厳しく非難している。

同報告は、中国は死刑犯からの臓器摘出のことを合法化したが、しかしその臓器移植のプロセスについては、決して国際規範を守るとは限らないのであると指摘している。つまり、死刑犯の提供した臓器とは、不当な圧力などによる、影響、あるいは情報不足の情況の下で移植を行われかねないのだ。

中国国内の死刑犯人数に関しては、公聴会に出席した東華基金会主任・肯恩氏は、中国では信憑できる資料がないが、しかし年に中国1県あたりの執行した死刑犯の人数によると、中国全国では年におよそ1万~2万人の数に達すると推測できる。

連続2年後退した中国の人権状況 

中国委員会員は、中国の人権が連続2年後退しており、委員会は再び中国当局が短期間で人権状況を引き続き改善していく決心があるかどうかを評価しなければならないとの見解を示した。

米国務院は2000年に、中国の人権状況と法治の発展を観察することを決議し、毎年、中国に関する人権報告と提案を提出する。同公聴会で、中国委員会主席チュック・ハゲル氏(Chuck Hagel、共和党参議員)は、中国の人権が2004年を限度に改善ができたが、しかし2005年に後退現象が現れ、2006年に依然としてその後退は進行し、しかも人権に対する制御が強化されていると示している。

同報告は、中国は社会の安定維持を理由にし、政府の合法性に対する脅しとなる存在の個人あるいは団体に対する威嚇と嫌がらせを行い、異見人士や、当局の許可されない宗教に弾圧をする。中国政府も裁判所と裁判官に対して多くの新制限を加え、司法部門の独立性を更に弱めることを指摘している。また、過去1年、中国は各種ルートで 新法規の公布や、インターネットの制御、政治と宗教の自由の弾圧、記者と作家の逮捕、拘禁を含み、中国人の言論自由と情報源の取得を厳しく規制しているとも、同報告は指摘している。

(記者・張羽良)
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