中国「一人っ子政策」:抜け道は排卵誘発剤

【大紀元日本10月10日】中国政府が依然としてその厳格な「一人っ子政策」を廃止しようとしない中、中国人カップルの多くが、その抜け道を発見し、「排卵誘発剤」を服用して双子、三つ子を出産している。中国大陸では、この双子、三つ子の出産率が増加しており、一人でよいという人たちも排卵誘発剤による妊娠に方向転換しているという。米国VOAが報道した。

北京在住のソン・ファさん(34)は、ここ七年間子宝に恵まれなかったが、排卵誘発剤により双子を妊娠、その大きなお腹を誇らしげに擦る。1979年に制定された現行法では、第一子が女児であった農村部のカップルのみが第二子を儲けられる。しかし、ソンさんのような都市居住者は、第二子を産めば厳しい罰金を科せられるか、中絶を余儀なくされることもある。

大陸メディアによると、複数の胎児を妊娠する臨床例が全国的に増加する傾向にあり、南京東部のある産婦人科医院では、2005年に双生児、三つ子が誕生したケースが90あったが、例年の自然分娩であれば通常は20程度であるという。その大きな理由は、ソンさんのように排卵誘発剤などの医療技術に頼ることで、これによって複数胎児を妊娠する確立が高まっている。

しかし、自然妊娠できる女性までもが、排卵誘発剤によって複数胎児を希望している現状に、医療機関は警告を発している。2005年には、排卵誘発剤の薬局での販売が禁止されるようになったが、いまだ全国的に使用されているという。

北京で最も進んだ不妊治療機関といわれる北京大学第三病棟のチャオ・チェ部長もまた、この風潮に警告を発している。チャオ部長によると、排卵誘発剤による妊娠が危険であるということが、一般的に認識されていないという。同クリニックでは、本当に妊娠できない女性のみを対象に薬を処方しており、また、ここを訪れる患者の多くが、地方の病院で妊娠できなかった女性たちだ。当クリニックの待合室では、患者たちが1988年に誕生した「試験管ベビー」のビデオを食い入るようにして見つめており、毎日600人以上が中国全土から押し寄せている。

中国では、女性の「子無し」は不名誉なことでありであり、特に農村部においてはそれが顕著である。湖南省北部から来た患者(38)は、「出産しないと一人前の女性ではない」と感じているという。チャオ部長によると、ここ数年、当クリニックを訪れる患者が増加したのは、不妊が多くなったからではなく、この話題に触れることが一種のタブーであったのが、事情が変化してきたからだという。中国では伝統的に、一般庶民は不妊を他人に知られることを恐れ、「ただ単に子供が欲しくないから」とごまかすことが多かった。

今日、不妊に悩む中国人カップルは不妊治療による光明を求めているが、チャオ部長によると、試験管内の人工授精においても、成功率は40%程度であり、その内、80%は単一胎児の妊娠にしかすぎないという。

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