北核実験余波のトンネル補修工事、南のセメント使用

【大紀元日本10月24日】北朝鮮内部消息筋によると、核実験で実施された吉州郡一帯のトンネルなど鉄道施設が、核実験余波で割れ目が発生し鉄道運行が中断になったという。またトンネル補修工事に、南韓から送ったセメントが使われているとされ、「対北支援」セメントが北朝鮮核実験に間接活用されているのではないかという疑惑を生んでいる。

消息筋は 18日、デイリーNKとの電話通話で 「吉州-ペクアム(恵山線) 一帯の列車運行が全面中断になった」「吉州駅から両江道恵山方面へのペクアム地区にある鉄道トンネルに対する内部修理が始まった」と語った。彼は、「核実験の衝撃で、トンネル内部に亀裂が多数生じ、列車運行を中断させた」と述べた。

北朝鮮でも鉄道トンネルは、汽車が運行する際の震動と地震など自然災害に耐えるように堅固に建設されている。北朝鮮はその間、有事にも列車が攻撃を受けた場合、トンネルに待避するようにしている。

このように堅固な鉄道トンネルに割れ目が生じた(場合)、トンネルの天井と壁を補修しなければ流水と落石による大規模な事故が発生する危険度が高くなる。

消息筋は「現在修理中のトンネルがあまりにも多くて、10月末まで工事が続く予定だ。ペクアム地区は、内部工事が大変で時間がもっとかかるものとみられる」と語った。消息筋はまた「特筆すべきことに、トンネル補修工事に南側が送ったセメントが使われている」「大水被害のため南側で送ってくれたセメントと聞いた」と語った。

吉州郡はどんな所か?

吉州郡は咸境北道の南部に位置する。北朝鮮では万塔山を境界で両江道ペクアム郡とも接している。また咸境道漁郎郡と明川郡、咸境南道端川市など 5個市郡と接していて木材加工業が発達した。

吉州郡は、鉄道と道路が交差する交通要衝地だ。鉄道はピョングラ線が南北に通い、白頭チョンニョン線が(恵山線、吉州-恵山)が西北方向に通っている。特に吉州駅を中心に、恵山方面は北朝鮮地域でもトンネルが一番多い地域だ

鉄道トンネルには北朝鮮軍鉄道警備隊が 24時間武装した歩哨を立て、レール点検員以外には、すべての外部人員の接近を禁止している。

鉄道警備隊は現役軍人で国家安全保衛部の指示を受ける。これは金正日が地方現地査察の時ほとんど列車を利用する点とも関係している。

また北朝鮮で起こった列車事故の中でトンネルと係わる事故も少なくない。北朝鮮はトンネル警備(経費)と内部点検にことさら気を使っている。

THE DAILY NK[ガングゼヒョック記者(咸興出身、2004年入韓)]
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