中国ネット業界「虎同士の戦争」=フォーチュン誌

【大紀元日本10月24日】インターネット接続サービスの大手企業・ヤフー中国はこのほど、同社の前総裁と、その新会社・奇虎社を告訴した。ヤフー中国の中国語名は「雅虎」で、両方の「虎」にかけて、中国ネット業界の「虎同士の戦争」とフォーチュン(Fortune)誌が報じた。

フォーチュン誌10月19日号では、ヤフー中国は北京で、競合相手の奇虎(Qihoo)社を、不当競争の理由で告訴した。両社の争論の焦点は、奇虎社のスパイ・ウエア対策ソフト「360Safe」に集中している。このソフトウェアはユーザーにヤフー中国のツールバーをパソコンの中で削除することを煽るという。

報道によれば、この二つの社名が酷似する会社は、すでに数ヶ月間にわたり、争ってきた。奇虎社の創始者・ 周鴻偉氏は、ヤフー中国の前総裁であることから、事態がさらに複雑化しているという。

ヤフー中国のスポークスマン、ポーター・エーリスマン氏は、「周氏は個人的な恨みが理由で、会社の資源を用いて、中国のネットユーザーを誘導し、しかもヤフー中国の営業妨害を図っている」と発言した。

それに対し、周氏の態度も非常に強硬である。この36歳のヤフー中国の前総裁は、告訴されたことを「まったく気にしない」と述べた。同氏はヤフー中国から退けられた後、今年初めに奇虎社を創設した。

周氏は、ヤフー中国とその他のネット接続企業は、スパイウェアへの対抗を恐れていると指摘、「わが社は、中国のすべてのネットユーザーに、自己保護する道具を提供している」と主張した。

周氏は、中国での初のキーワードのサーチエンジン「3721」の開発者。2003年に1億2千万ドルの価格で、「3721」をヤフー社に譲渡した。奇虎社の「3721助手」とのソフトは、削除するのが困難である上、広告のウィンドウズを頻繁に再生する。多くの人は、同社はスパイウェアを中国に根付かせた張本人だと見ている。それについて、周氏は、「私は適切でないことをやってしまった」「全力で償う策を講じている」などと発言した。

周氏は、自社のソフトウェア「360safe」は、如何なる企業を敵視していない。ユーザーにヤフー中国のツールバーを削除するかどうかを選択させていると説明した。

一方、奇虎社が10月上旬に公開したソフトウェアが削除されたトップ10のリストには、ヤフーのツールバーが第一位である。わずか一週間の間に、360safeのユーザー70万人が同ツールバーを削除することを選択したという。

報道は、「もしこれらのデーターの信憑性が確かであれば、周氏の報復は大成功したと言える。ヤフー中国はなぜ自分より遥かに弱小な奇虎社のこのソフトウェアを恐れていることが理解できる」と伝えた。

実際には、この事件はヤフー中国が抱えている苦悩のごく一部に過ぎない。年初では、同社は米議会や、国際人権団体や「国境なき記者団」などのメディア組織から、中国当局のネット封鎖に協力し、さらにユーザーのプライバシー情報を中国の情報機関に提供するなどと非難されている。また、同社はネット検索市場において、業績がグーグル(google)社に越され、株価も年初から4割近く下落した。

(記者・馮静)

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