【モンゴル「草点」便り】オルチンドー、いとしの草原「演歌」を歌え!

【大紀元日本11月2日】中国・内モンゴル(自治区)の友人に知っている日本の歌謡曲を聞くと、千昌夫さんの「北国の春」を真っ先に上げます。中国語で滔々と歌ってくれます。内モンゴル人同士はもちろんモンゴル語で話をしています。打ち解けたコミュニケーションを果すことが出来るのは、遠くはなれた日本の地でも通じる母国語による力のお蔭です。内モンゴルの人たちは中国語の漢字文化圏に育った強みで、ある程度日本語が上達すると漢字を介して意味不明を飲み込んで理解することが可能です。それでもノスタルジックに寂しくなれば、一緒に集まっては皆でよく歌うのです。

外モンゴル(モンゴル国)はロシアの影響で、キリル文字によるモンゴル語表記が定着しました。モンゴル国から来た人は日本に留学すると、漢字ひらがな文化圏の只中に放り込まれることになり、適応に際しては内モンゴルの人より多めのストレスを受けることになってしまうようです。そんな時なんと言っても母国語によるお国の歌や踊りが、しばしの慰めを与えてくれる特効薬です。

モンゴルにはオルチンドーという歌唱法があります。オルチンドーは「長い歌」と訳され、拍子のない自由な旋律を独特の発声法で歌うモンゴル民謡です。うねるような抑揚、急旋回する節回し、喉のほこら(祠)から迸る強度のある伸びやかな声が響き渡ると、そこかしこをたちまちにモンゴリアンブルーの大空に変えてしまうのです。そんな威力とエナジーに充ちた発揚が、オルチンドーの歌唱力には横溢しています。「馬子唄」や「追分」のルーツといわれるオルチンドーですが、日本民謡の大らかなコブシ回しとは全く一線を画する、別種の始原的な声の発現力を持っています。暮らしの世界に広がる地平線の彼方へ、そして何より天高く住まう神々の世界へ、届けとばかりに草原世界の隅々に反響しながら地走りする圧倒的な歌力が、一度聞いたらもう一度聞くまで忘れられない魅力です。ひょっとしてオルチンドーは、モンゴル草原で歌われるパッショネイトな「天城越え」の歌ではないのか?

▶ 続きを読む
関連記事
研究では、生物学的年齢は生活習慣によって変わることが判明。運動、食事、睡眠、喫煙・飲酒の回避、ストレス管理の5つを改善するだけで、老化を遅らせ、寿命を延ばす可能性が示された。習慣の見直しは何歳からでも効果があるという。
初めての心不全・脳卒中の影に、実は99%以上が共通の4つの兆候を抱えていた――最新研究が示した「見逃しやすい危険信号」と、予防のために今すぐ見直すべき生活習慣をわかりやすく解説します。
人気食材アボカドには、歴史・性の健康・怪我・アレルギー・動物毒性まで意外すぎる秘密が満載。読むほど驚きが続く「7つの知られざる真実」をご紹介します。
数百年前の喫煙習慣が、なんと骨にまで刻まれていた──。最新研究が明かした「骨が語る喫煙の記憶」は、健康観を揺さぶる驚きの事実です。
浜崎あゆみの上海での公演がキャンセルされた後の行動に称賛が集まっている。中共政府の常軌を逸した日本への外交攻撃に巻き込まれたが、今回のトラブルはかえってチャンスを広げる結果となるかもしれない。