チベット亡命政府特使、ダライ・ラマ亡き後のチベット懸念

【大紀元日本12月7日】北京当局に対して独立ではなく、自治を求めているチベット亡命政府のローディ・ジャリー特使はこのほど、チベット自治区の境界線を再画定を中国共産党(中共)に求めているとし、ダライ・ラマ14世が健在時にチベット問題の解決ができなければ、情勢不安定をもたらし、問題解決の道が閉ざされる可能性が高いと示唆した。

BBCによると、ジャリー特使は11月14日、米ワシントンのブルーキングス研究所で、「中共当局は一方的な都合から一度はチベット自治区の境界線を改めた。チベットの特色を保持するためには、当局が画定したチベット自治区境界線を再確定するべきだ」と指摘し、「実際、チベット人は生活方式、伝統および宗教が平和的に維持できる行政管轄を望んでいる」と明らかにした。

情報筋によると、現在チベット人の約半数がチベット自治区で生活しており、甘粛省、四川省、青海および雲南省などにも分散しているという。ジャリー特使は分散しているチベット人を統括するとは、独立または分裂の企みではなく、チベット人が中国国内の1つの独特な民族として保全するためであると強調した。

2002年よりチベット亡命政府より派遣された特使は、北京当局とこれまでに5回にわたる秘密会談を行った。ジャリー特使は、中共当局が会談に応じるようになってきたことから、チベット側の意見を表明する必要があるとし、今のところ、特使と中共当局の統一戦線部高官との会談に進展はみられていないが、会談を開催すること自体が進展を示す成果であるとの見解を示した。

1959年、中共の鎮圧に対抗する活動が頂点に達したチベット動乱がラサで起き、チベットの精神指導者ダライ・ラマ14世に追随し、数万人のチベット人が共にヒマラヤ山脈を越え、インドへ亡命した。

ジャリー特使は、「ダライ・ラマ14世が亡くなれば、チベット人は長期にわたり積み重ねた憤りや恨みの感情が爆発し、不安定な情勢をもたらす可能性が高い」と示唆した。ジャリー特使は中共当局がダライ・ラマ14世に対する信頼感が薄いことこそが双方の対話にとって最大の障害であると指摘した。特使は、ダライ・ラマ14世は誠意を持って中共当局と対話を交わす構えであることを強調した。

チベット亡命政府のスポークスマンは、ジャリー特使の発言に対して、中共当局からは一切の回答がなかったとし、ダライ・ラマ14世が希望している訪中についてもなんら回答がないことを明らかにした。

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