外国記者の中国取材の緩和は陰謀=「中国事情」・伍凡編集長が語る

【大紀元日本1月15日】前中共総書記・趙紫陽の秘書で、長期にわたって自宅に軟禁されている鮑●(パオ・トン)氏はこのほど、中共当局からの許可を得て外国メディアの取材を受けた。これは、北京オリンピック前に外国記者が中国で行う取材活動の制限を中共が緩和して以来、敏感な政治人物が取材を受けた第一例。ウエブ雑誌「中国事情」の編集長伍凡(米国在住)は、希望の声ラジオ放送の取材に対し、中共のオリンピック向けの報道緩和は、時間の制限、限度があり、世界をごまかすための陰謀であると語った。(●…丹に杉のつくり)

伍凡編集長の話では、「北京のメディア統制は、二つの方向で行われています。第一の方向は国外に対するもので、オリンピックを向かえるために、寛大であるかのような見せかけを作っています。しかし、緩和は条件付きです。顕著な例として、鄭恩寵(土地収用さえた市民を代弁したため判決された上海の人権弁護士)に対して取材をすることはできません。鮑●氏は既に中国の政界を離れており、今や大した影響力はありません。六四(天安門)事件は、既に歴史となっています。(中共が)鮑●氏に取材を受けさせたのは、彼をシンボルにするためです」。

伍凡の見解によると、現在、鄭恩寵弁護士や高智晟弁護士の妻子が記者と面会できないように、中共のこうした選択的な開放は、単にオリンピックを順調に開催させたいがためにすぎない。

「鄭恩寵は現在、党内派閥闘争の具となっています。彼に話をさせることはできません。一旦彼が語れば、中共党内の闘争が漏れ、中共の政治利益にとって非常に不利になるからです。だから、彼には語らせないのです。また、高智晟は、懲役3年、執行猶予5年の判決を受けましたが、彼には記者と面会する権利がありません。さらに、彼の妻子もメディアとの面会をさせないのです。現在、彼ら(高智晟の妻子)を探し当てることは全くできません」。

「今回に開放は、時間の制限、限度があり、かつ選択的です。その目標は一つしかありません。それは、オリンピックを順調に開催するために、事前にある種の世論、雰囲気を作り、人々に、中国のメディアが開放されているものと感じさせることです」。

伍凡は、今回の取材に対する処置は陰謀であり、対国外と対国内の措置が全く異なっていると語った:「他方、国内に対しては、メディア統制を強化しており、国外メディアに対する措置とは180度異なっています。国内では、ネットが封鎖されています。高智晟が懲役3年の判決を受けた根拠は、ネット上に文章を書いたことですが、判決書は現在に到っても公開されておらず、代理人である莫少弁護士は、如何なる文書も受け取っていません。文章を発表しただけで懲役3年ということは、中国の新聞メディアの言論の自由が、対内的には専制的であることを示しています。現在、中国政府は、外国人のほかにも、いわゆる中国の専門家をも騙していますが、中国の民衆は騙せません。本当の民衆は、中国政府を信用していません。一言で、北京による今回の措置は陰謀です。対国内、対国外の対応が、対比をなすほどに、完全に異なっています」。

伍凡は、外国記者は、次のように対応すべきであるとしている:「豪華絢爛な大都市だけを報道してはいけません。貧しい人を探して話をし、世界に対して何が中国であるのか、真の中国がどこにあるのかを知らせるべきです。これこそが、真の報道の自由です」。

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