【世界「花形」文化(日本編)】お遍路さん~世界遺産化への道(3)

【大紀元日本1月30日】インド仏教は、この世は「幻」であると説きました。中国仏教は幻という混沌に、経文で目鼻を施してその顔貌を説きます。鵺(ぬえ)のような幻は滅せられて、漢字曼荼羅の骨格が与えられました。幻は中国的「文」によって別様に昇華されます。幻は天円地方のフレームの中で、ロジカルに編集し直されたのです。四国のお大師さん・空海は日本的「紋(あや)」の中で、山・川・草・木と人間の無常を括って、衆生に真言を手渡しました。

ですからお遍路さんは「南無大師遍照金剛」を唱え、お大師さんと同行二人で巡拝します。ダイヤモンド(金剛)の輝きを放つお大師さんが、お遍路さんを慈悲の光で遍く照らして巡拝の難所を導くのです。中国僧・恵果から灌頂を受けた時に起きた不思議に因んで、大日如来の別名である「遍照金剛」が、空海の灌頂名として授けられました。灌頂の際に目隠しして、合掌した空海が花を投げ入れます。すると2度にわたって、大日如来の上に花が落下したのです。入唐前には全く無名の私度僧であった空海でしたが、帰朝後には遍照金剛の力を発揮して、たちまち別格の頭角を現します。やがて空海が日本で投げ入れた3本目の花は、高野山で真言密教誕生の聖地を開きました。

お大師さんが開創した真言密教の根本道場「高野山」と、熊野古道、大峯奥駈道など、奈良・和歌山・三重の三県にまたがる「紀伊山地の霊場と参詣道」が、2004年7月7日ユネスコの世界遺産に登録されます。世界遺産登録のキーポイントになったのが、「文化的景観」でした。それは自然と人間の営みによって形成された歴史的遺産を、文化的景観として評価するものです。遺産登録されるためには、神社・仏閣だけでなく参詣道を含み、文化的景観の基盤となるその土地の自然環境が、良好な状態で維持されている必要があります。

▶ 続きを読む
関連記事
研究では、生物学的年齢は生活習慣によって変わることが判明。運動、食事、睡眠、喫煙・飲酒の回避、ストレス管理の5つを改善するだけで、老化を遅らせ、寿命を延ばす可能性が示された。習慣の見直しは何歳からでも効果があるという。
初めての心不全・脳卒中の影に、実は99%以上が共通の4つの兆候を抱えていた――最新研究が示した「見逃しやすい危険信号」と、予防のために今すぐ見直すべき生活習慣をわかりやすく解説します。
人気食材アボカドには、歴史・性の健康・怪我・アレルギー・動物毒性まで意外すぎる秘密が満載。読むほど驚きが続く「7つの知られざる真実」をご紹介します。
数百年前の喫煙習慣が、なんと骨にまで刻まれていた──。最新研究が明かした「骨が語る喫煙の記憶」は、健康観を揺さぶる驚きの事実です。
浜崎あゆみの上海での公演がキャンセルされた後の行動に称賛が集まっている。中共政府の常軌を逸した日本への外交攻撃に巻き込まれたが、今回のトラブルはかえってチャンスを広げる結果となるかもしれない。