香港返還十年、3月に初の行政長官民主選挙

【大紀元日本2月5日】香港立法会の梁家傑・議員は1月31日、3月に開かれる香港行政長官選挙に出馬すると正式表明した。これまでに、中国共産党が支持する候補者が対立候補のいない状況で、長官に当選していたため、民主派の梁家傑・議員の出馬表明は返還後初の民主選挙になると期待する声が上がっている。中国共産党政権が後押する現職の曾蔭権・長官が近いうちに出馬表明する見込み。米国VOAが報じた。

1997年香港が中国に返還された後、2回の長官選挙が行われたが、中国共産党政権が後押しする1人しか立候補しなかったため、事実上の無風選挙となっていた。今回の選挙も現職の曾蔭権・長官が出馬する見込みで、対立候補なしの非民主選挙になるのではないかと憂慮される中、民主派の梁家傑・議員が立候補を正式表明した。

梁家傑・議員が1月31日、香港立法会付近の「遮打花園」で出陣大会を開き、行政長官選挙委員会の800人の委員のうち、111人の推薦支持を得たと公表、3月25日に開かれる3回目の行政長官選挙に出馬すると正式表明した。

現行の香港行政長官選挙法案では、立候補するには、最低100人の選挙委員の推薦が必要と定めている。

梁家傑・議員が出陣大会で所信演説を行い、「今日は歴史に刻まれる一日。香港返還後の10年間において、初めて民主派の議員が行政長官の選挙に立候補し、中共政権が支持する現職の行政長官に宣戦布告したのだ」と発言した。

香港メディアの報道によれば、現職の曾蔭権・長官が近いうちに出馬表明する見込み。

それについて、梁家傑・議員が今回の出陣大会で曾蔭権・長官に有権者向けの公開フォーラムに参加するよう挑戦状を突きつけ、「公開フォーラムは、香港の有権者に未来を選択する願いを叶わせ、まったく異なる二つの価値観、政治理念、政策システムを選択させる機会をもたらす」と述べ、「民主を獲得するためには、まず選挙権を確保しなくてはならない。香港市民を信頼する政府だけが香港市民の信頼を得る」と強調した。

香港立法会の李柱銘・議員は出陣大会後、記者の取材を受け、梁家傑・議員が今回の選挙を勝ち取る可能性について、勝算する確立は極めて低いとしながら、同議員の行動を高く評価し、「梁家傑・議員の立候補は、(中共政権が全力でバックアップする)曾蔭権・長官に圧力をかけ、有権者にマニフェストを示すよう促し、政策議論を交わすことになる。その結果、香港市民は最終的に受益する。これは曾蔭権・長官が無風選挙で続投するよりはずっとましだ。梁家傑・議員がもっとも取り込むべきなのは、曾蔭権・長官に圧力をかけ、(香港市民が長い間求め続けてきた)普通選挙の実施のタイムスケジュールや、具体的な綱要を有権者に説明させる。現時点において、中共政権はこれを反対しているが…」と語った。

また、民主派議員で結成された行政長官選挙準備チームを代表して、香港民主党の楊森・前総裁は1月31日午後、曾蔭権・長官の選挙事務所に公開フォーラムへの参加招待状を届けた。一部の選挙委員会の委員は自ら出資し、公開フォーラムの実況をテレビ生中継するのを検討、候補者の生弁論を企画している。

香港返還後初の長官民主選挙に関心が高まっている。

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