ロシア治安当局、元チェス世界王者・カスパロフ氏を尋問

【大紀元日本4月21日】元チェス世界王者、ガルリ・カスパロフ氏(44)は20日、その過激派的な発言の疑いでロシア治安当局の尋問を受けた。同氏は14日、モスクワで行われた反政府デモに参加して逮捕され、同日深夜、公共秩序を乱したとして1000ルーブル(約5000円)の罰金を科せられて釈放された。

同氏によると、ラジオやインタビューでのコメントについて尋問されたが、容疑を否認したという。ロシア国内の反体制派は先週、モスクワ、サンクトペテルブルグで大規模な抗議行動を行い、数百名がロシア当局によって拘束されたが、その多くが「カスパロフ陣営」であったという。

ロシアの検察当局は、FSB(ロシア連邦保安庁)の申し立てにより、容疑を立件しようとしたが、同氏は、「現在がロシアの民主化にとっての一里塚だ。当局がこのような政治行動を封殺しようとしているのは明白だ」と嘆いたという。

こうした反体制派の中核「もう一つのロシア」は、カシアノフ前首相、チェスの元世界王者カスパロフ氏などが発起人で、3月にはサンクトペテルブルグ、ニジニノブゴロドでも街頭デモを行い、約150人が当局によって拘束された。

ロシア政局は現在、年末にかけて下院選、来春には大統領選挙を控えており、政権当局は現在、「反プーチン批判」を押さえ込もうとメディア封殺に乗り出している外、こうした街頭デモには大規模な警察勢力を投入して「鎮圧」しようとしている。

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