【エッセイ】他人を思いやってあげられる人は、自分も気持ちがいい

【大紀元日本5月12日】(編者注:中国語の『関心』には「心を閉じる」と「思いやる、気遣う」という二つの意味があります。中国語の『開心』は「楽しい、機嫌がいい、気持ちがいい」という意味)

お姉ちゃんは期末試験前なので、宿題がたくさんあります。だから、その日の晩は、いつの間にか机に伏して眠ってしまいました。

ところで、ちょうどその数日間は水圧が不安定だったので、お風呂に入るのが遅くなると、お湯がなくなってしまいます。だから、お母さんは妹を連れて慌しくお風呂に入った後、急いでお姉ちゃんをお風呂に入らせようとしました。 

ところが、お姉ちゃんは眠り足りなかったのか試験前で焦っていたのか、とても怒りっぽくなっていて、呼びに行った妹がびっくりして泣き出しそうになりました。

妹は、お姉ちゃんがお風呂場に入ったのを確かめると、小声でお母さんにたずねました。「お姉ちゃん、機嫌が悪いけど、どうして?」

お母さんは、「お姉ちゃんは『関心』(心を閉じて)してしまっているから、私たちの『関心』(思いやり)に気が付かないのよ」と答えました。

「でもお母さん、私たちは『関心』(心を閉じる)なんてしてないわよ。お姉ちゃんのほうこそ『関心』(心を閉じる)しているから、心が閉じちゃったんでしょ?」

「心を閉じるの『関心』じゃなくて、他の人のことを思いやるという意味の『関心』のことよ。私たちは、お姉ちゃんのことを『関心』(思いやる)してあげているのでしょ。でも、お姉ちゃんのほうは、自分がまだ寝たりないことを気に掛けているのよ」。

「じゃあ、私たちは『開心』(気持ちがいいの)ですか?」妹は間が抜けた質問をしました。「私たちは『開心』(気持ちがいいの)ですよ。私たちはお姉ちゃんみたいに怒ってなんかいないでしょ?」お母さんは答えました。

「あ、わかった。自分のことだけを気遣う人は『開心』(気持ちがいい)な人ではない。他の人のことを思いやる人は『開心』(気持ちがいい)な人ということなんでしょ?」

「なに?おちびちゃん、もう一度言って!」お母さんはまだ頭が回らなくて…

「『開心』(気持ちがいい)でない人は自分のことだけを気遣っていて、非常に『開心』(気持ちがいい)な人は、他の人のことを思いやってあげられる人。そうでしょ?」

本当にお見事!言い直した上完璧な倒置文も使った。まったくこの子のいうとおりだわ。