中国豚肉価格暴騰、インフレ懸念

【大紀元日本6月3日】中国ではこのほど、豚肉価格が暴騰し、4月よりすでに71・3%上昇している。海外メディアによると、中国は昨年、全国で豚が疾病感染による大量死しており、豚肉の供給が激減したことから、各方面関係者より豚肉価格の暴騰がインフレを引き起こすと警告している。

*病気感染で豚の大量死により、豚肉価格暴騰

「フィナンシャル・タイムズ」紙5月28日の報道によると、中国の一部の豚肉価格はここ数週間で暴騰し、西安市ではキロ当たり17元(約262円)まで、深セン市南部ではキロ当たり30元(約462円)までに値上がりしたという。2週間で約30%の値上げとなった。農業部の報告によると、豚肉の卸値はさらに上昇するとみており、実際、4月以降はすでに71・3%が上昇したという。

一方、中国にいる5億頭の豚が同国でもっとも重要な豚肉供給源であることから、中国政府にとって、如何なる肉類の供給中断も重要な政治問題になるのである。

報道によると、昨年5月以降中国国内で、通称「ブルー・イア(blue ear disease)」病、いわゆる「豚生殖器・呼吸器症候群」PRRSが流行、さらに一般的に流行っている口蹄疫(foot-and-mouth)を加え、業界関係者は「これらの疾病は2000万頭の豚の大量死をもたらした」とコメントしている。しかし、豚の大量死に留まらず、先週末に広東省で疾病に感染した豚の肉を食した56人は後、病院へ運ばれたという事件も起きた。

政府当局は未だにこれらの病気に感染し死亡した豚数の発表はしていないが、多くの地区ではすでに豚肉不足の影響を受けていることは明らかである。例えば、腸詰め製造業者はすでに豚肉から他の肉へ切り替えたりし、香港経由して南米より肉類を輸入することを試みているという。

*豚肉価格急騰、インフレが懸念される

「フィナンシャル・タイムズ」の報道によると、温家寶・首相は1週間前に西安市のある市場および養豚場を訪問し、豚肉不足および豚肉価格の高騰の深刻さを認め、インフレへの懸念を示した。

香港高盛集団会社(ゴールドマン・サックス・グループ)の中堅・梁洪(Lian Hong)氏は、研究報告のなかで「豚肉価格の上昇は消費者の物価指数(CPI)を昨年同期比4%以上へ上昇させる可能性がある」と示し、「さらに、肉類構成はCPIの約7%を占めており、その価格の影響力はタマゴ、魚およびその他の食品価格まで影響を及ぼす」との見解を示した。

経済学者らは、今年の夏までに中国の食品および穀物の価格上昇の状況が続き、小売価格のインフレをもたらし、中央銀行が示された3%の指標を超えるとの見解を示した。

ビデオ:中国国内豚肉価格の急騰、インフレ懸念(新唐人テレビより)

(記者・華明)
関連記事
香港では「国家安全法」を導入したことで、国際金融センターとしての地位は急速に他の都市に取って代わられつつある。一方、1980年代に「アジアの金融センター」の名声を得た日本は、現在の状況を「アジアの金融センター」の地位を取り戻す好機と捉えている。
メディアのスクープ話が世の中を動かす。特に最近は「文春砲」など週刊誌メディアの元気が良い。同時に報道のありかたが問われている。国が国民の幸福を奪うことがあったら、ある程度、国家権力の作ったルールを逸脱する「反社会性」を持ち、戦わなければいけない時がある。記者は反社会的な面を持つ職業で、メディアは反社会性を持つ企業なのである。
米空母、台湾防衛態勢に 1月29日、沖縄周辺海域で日米共同訓練が挙行された。日本からはヘリコプター空母いせが参 […]
上川陽子外務大臣は、パナマ在留邦人及び進出日系企業関係者と昼食会を実施した。日・パナマ間の経済分野における協力の可能性や課題、教育などについて、意見交換を行った。
2月23日午後、上川陽子外務大臣はパナマ運河視察を行った。日本が主要利用国であるパナマ運河の安全かつ安定的な利用環境確保に向けた連携を維持すると表明