一部の心臓レントゲン、若者と女性のがんリスクに=米研究

米国の医師らが17日、心疾患の診断に用いられる心臓のレントゲンについて、ある特別な種類のものには女性や若者に対してがんを引き起こす可能性があり、注意して使用するべきと発表した。

米国医師会の学会誌で発表された研究によると、問題となっているのはCT(コンピュータ断層撮影)冠動脈造影法と呼ばれる技術。体内に侵入することなく心臓の内部とその動脈を見ることができる。

しかし同技術は、影響を受けやすい人々に対してがんを引き起こすのに十分な量の放射線を浴びせることになると指摘。特に、女性と若い男性にとって危険性があるという。

この研究を指揮したコロンビア大学病院の心臓専門医、アンドリュー・アインシュタイン博士は電話インタビューに応じ、同じ量の放射線を浴びても女性の発がんリスクの方が男性よりも高い傾向にあると説明。男女間の第2の違いとして乳がんの危険性を挙げ、「心臓は乳房のすぐ後ろにあるため、(CT冠動脈造影により)結局乳房まで被ばくしてしまう」と述べた。

同チームは、このレントゲン技術によりがんを患う可能性は、80歳の男性が3261分の1なのに対し、20歳の女性は143分の1としている。

[ワシントン 17日 ロイター]