佛教の名山・五台山、鉱山採掘で四台山に=中国山西省

【大紀元日本7月31日】北京青年報の報道によれば、自然と文化を兼ね備えた世界複合遺産に申請中の佛教名山・五台山が、鉱山採掘の爆破によって、西台と中台の山脈から延びた部分が著しく破壊され、西台と南台の間の峰が平らに削り取られた上、鉱区に近い寺院の文物も破損がひどいという。当地の住民の間では、「五台山が四台山になってしまう」と言われている。

西台頂上の法雷寺の釈聖一住職によると、「清涼寺の後ろには五台山が控える」と言われるように、清涼寺は五台山名寺の一つであり、清朝の順治皇帝が出家した所だと伝えられているという。ところが、今は、寺の門前に立てば、近くの山が削られ、平らになっているのが見える。

清涼寺の近くにある山の頂上から西北のほうを見ると、眼前に巨大な鉱石加工場が飛び込んでくる。トラック二台分の幅がある土埃のたつ道が数本、山腹にめぐらされている。当地の住民の話によると、「あの道は鉱石を運搬する車が付けた跡だ。ほかの車はあそこを通らない」という。

五台山の緑の植生は日に日に失われ、岩肌が広範囲でむき出しになっており、山の斜面には大きな石が転がっている。さらに、採掘機で掘られた大きな穴がたくさん開いている。

山の斜面で羊を放牧している村人の話では、現在1日3回爆破が行われており、まるで地震でも起きたかと思うほどだそうだ。金閣寺の釈広済住職の話では、2005年の爆破では震動で椅子から飛び上がるほどであったという。御殿の西北に安置してあった像は去年すべて倒れてしまい、今ある像は新しく作り直し、さらにセメントで佛像を台座に固定しているそうだ。

金閣寺の凌霄宝殿は明清の時代のもので、僧侶の釈悲騰によれば、5年前彼が入寺した時にはどこにも破損はなかったが、今や殿内の壁画には多くのヒビが入り、廊下寄りの壁には壁を真っ二つに分ける亀裂が入り、隙間から外が見えるほどだという。

「五台山を見れば、他の寺は見るに値しない」と言われるように、五台山は世界5大佛教聖地の一つであり、中国の4大佛教名山の筆頭でもある。山西省忻州市五台県に位置し、太行山脈に属する。100ヶ所近い寺が現存し、魏、斉、隋、唐、宋、元、明、清、民国の歴代建造物の集大成で、高度な科学と芸術的観賞価値を備え持つ、中国古代の貴重な歴史的文化遺産である。