上海人大会議期間、直訴者千人強制連行

【大紀元日本8月18日】8月14日から4日間にわたり上海にて第12回全人大常務委員会議が開かれた。14日から毎日400~500人の直訴者が会場前広場に集まり、人大代表に対して、直訴者たちの実際問題の解決を求める一方、政府の怠慢な姿勢に抗議した。これに対して、上海市政府は公安特別警察および保安警察を出動させて取り締まった。14日からの2日間で、すでに千人近い直訴者が拘束され、浦東郊外にある野球場へ次々と強制連行され、会場周辺の警備が強化された。

直訴者の楊さんは取材に対して、直訴者たちは人大会議で決定される内容は民衆の今後の生活に関わることから知る必要があるとし、また、直接に人大代表に会い、直訴者たちの実情を反映し、問題解決を訴えた。しかし、会場前広場に到着した直訴者は、次々と大型バスに乗せられ、浦東雲田路201号にある野球場へ強制連行され拘束された。直訴者たちは同夜の会議終了後に、ようやく一部が解放されたという。

一方、野球場に連行された直訴者たちは、中でスローガンを叫び、一部の直訴者は警備を突破して、集団で南浦大橋へ向かい、当局の取り締まりに抗議しようとしたが、再び強制連行された。一部の直訴者は2日間連続して監禁されたという。

ビデオ:野球場に拘束された直訴者たちはスローガンを叫び、当局の取り締まりに抗議した。

直訴者の姚さんによると、15日午後2時ごろから直訴者を拘束し始め、野球場へ連行されたという。スタジアムは10年程前に立てられたものだが、長期間使用されておらず、施設は管理されておらず荒れていた。拘束された場所は、椅子もなく、多くの直訴者と公安関係者百人以上がいて、人が歩ける場所もないほど混雑した。広場では、警戒線が敷かれ、直訴者を閉じこめた。「政府は根本的に私たちを人として見ていない」と姚さんは嘆いた。公安はさらに現場に6台のビデオカメラおよびカメラを多数設置し、直訴者たちに向かってビデオや写真を取り続けたという。これらのビデオや写真は今後の取り締まりの証拠として使用されるとみられる。

野球場でスローガンを叫ぶ直訴者たち(大紀元)

また、初日夜に20~30人ごとに解放された直訴者たちは、町で人々に事実を訴え、徐々に人が集まったため、再び警察に拘束され、野球場に送り返されたという。また、一部の直訴者は大型バスにて浦西地区へ連れて行かれ放置されたという。

今年6月末、上海市民800人以上が実名にてインターネットで公開書簡を発表し、政府当局に対して、「要るのは人権、五輪は要らない」と訴えた。7月17日、中国共産党上海第9回二次会議が開催されたときに、直訴者千人ほどが特別警察の弾圧を受け、19人が拘束される事件が発生した。直訴者たちはこの弾圧を当局が公開書簡に対する回答と報復であるとみている。それに対して、7月25日に、上海直訴者たちは再び公開書簡を発表し、胡錦濤・総書記、温家宝・首相および国際オリンピック委員会・ロゲ委員長に対して、上海政府が五輪問題を政治化、合法的な直訴を政治化、五輪の名義にて公民を弾圧し、公民の基本的人権を剥奪していると訴え、被害者および家族たちに関心を寄せ、司法による援助を求めた。

(記者・駱亜)
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