書評:柳田国男『こども風土記』
【大紀元日本9月19日】こどもは風の子です。風は虫の知らせ=情報を運んできます。こどもは誰もが、風の又三郎です。柳田国男さんにとって、こどもは小さな神様です。小さな神様に言い聞かせる母は、それにもまして偉大な「うば」なのです。
風が土に降り立って日本全国に花咲かせた、こども文化のあれこれを記したのがこの本です。柳田さんは「人間に永遠の児童があり、不朽の母性があることを認めつつ」(昭和16年の自序に記す)、母といた日の悦楽を老いてしまった現在の私の、永遠のこども心の中に蘇らせたかったのです。
『こども風土記』は朝日新聞に連載されて反響を呼び、一冊の本にまとめられました。風土記もののお手本となったものでした。「鹿・鹿・角・何本」という、あてもの遊びに始まり、「鹿遊びの分布」の報告で終わっています。
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