中国河南省:産業労働者1万人、企業幹部汚職に抗議

【大紀元日本9月19日】中国河南省洛陽市で、9月14日から、産業労働者1万人が市内の道路で座り込み抗議を行い、企業幹部の汚職を訴えた。警察官約千人以上が出動し、一部の抗議者が殴打されたが、流血衝突には至っていないもよう。

大紀元の取材を受けた数人の抗議参加者は次のように状況を説明した。

国有大手企業・白馬集団有限公司は9月14日、従業員に対し、破産を宣告し、勤務年数1年につき、1220元(約2万円)の退職金を払うと説明した。長い間、幹部の汚職に不満を抱いてきた従業員らは道路に座り込み、交通を遮断する集団抗議を遂行した。後に、家族なども参加した。現地政府は抗議現場での警察官千人以上を配置、私服警官も大勢投入された。その間、抗議者十数人が警察から暴力を受けたが、流血衝突には至らなかった。また、現地の各政府機構の幹部は抗議現場に現れ、抗議を中止し、労働現場に戻るよう説得しているもよう。

抗議現場の一角(大紀元)

抗議発生の当日、会社側は年間の退職金を144元(約2300円)に増額するとした。抗議者らは、「我々の抗議活動はこのようなスズメの涙ほどの金のためではない。得るべき労働所得と、公正、公平、公道、正義、合法権益を奪還するためである」と話し、抗議の続行を表明した。

抗議参加者が提供した情報によると、これまでに、工場の幹部は多くの土地を売り、数億元(1元=17円)を不正流用した。破産後の工場は、民間企業に破格な安値で買収される。その過程において、巨額な退職金と株式も幹部の懐に入る。現地政府と結託しているため、このような汚職が可能だった。一方、従業員たちは工場の倒産により、年金や、最低限の生活保障、医療保険も失うことになる。

解雇された元従業員・任麗華さんは大紀元の取材に応じ、自らの幹部汚職告発について明かした。12年前、任麗華さんは市の検察機構に同社の幹部の汚職を告発した。調査の結果、告発事実が証明されたが、汚職犯罪の容疑者への責任追及はなかった。一方、任さんはその直後、早退したことがあるとの理由で、会社側に解雇された。11年以来、彼女は県政府には23回、北京中央政府には36回の陳情を行ったが、まったく取り合ってもらえなかったという。

また、多くの従業員がネットで今回の抗議の関連情報を書き込みし続けたが、すぐに削除されてしまうという。現時点まで、抗議が続けているかどうかは確認できていない。

(記者・辛霏、翻訳/編集・叶子)

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