ミャンマー軍政弾圧:僧侶多数処刑、死者数千人か

【大紀元日本10月3日】ミャンマー僧侶と市民による抗議活動は、軍事政権により武力弾圧され、情報が急に途絶えた。外交関係者や、海外の民主運動団体および亡命した幹部の推測によると、武力弾圧による死者は数千人に達しており、多くの遺体が山林などに遺棄されたため、

「ビルマ民主の声」から提供されたビデオに写された僧侶の遺体(AFP)

実際の死者数について確認できないという。

ミャンマーに到着したガンバリ特使は9月29日、予定通りにアウンサンスーチー氏と面会したが、タンシュエ将軍との面会はまだ果たしていない。

アナリストおよび反体制派は、ガンバリ特使は各国指導者および国連の意見をミャンマーの軍事政府に伝える役割しか果たすことができないと分析した。専門家は、軍事政府が今回の弾圧で、「軍人だけが国家統一を維持することができる」と「執政者がいさぎよく決断ができなければ、いつでも強硬派に引き摺り下ろされる」というメッセージを強く発信したと指摘した。それ故、ガンバリ特使は軍事政権に武力を放棄させ、話し合いの席に着かせることもできないとみられている。

ノルウェーに本拠を持つミャンマー亡命者が創設したメディア「ビルマ民主の声(Democratic Voice of Burma)」によると、タンシュエ将軍の妻、娘、娘婿は1週間前にミャンマーを離れ、シンガポールに到着、娘と娘婿はその後、ドバイへ出発したという。香港の「アジア人権委員会(AHRC)は10月1日、ミャンマー軍事政権は資金を海外へ移転した可能性が高いと警告した。

一方、ミャンマーからタイへ戻ったスウェーデンの外交官ガリタ氏は、主要都市のヤンゴンとマンデラの状況から見ると、「軍事政権が勝利した」とし、インセン刑務所に監禁された2千人の僧侶のうち、少なくても40人が暴行され死亡したと述べた。また、ミャンマーとタイの国境に身を潜めているミャンマーの前軍事情報幹部リウェン氏によると、自身が所属しているヤンゴン北区の軍部では、少なくても数百人の僧侶が強制的に連行され、「我々は僧侶らを処刑するよう命じられた。遺体は指示にしたがって林に遺棄した」と明らかにした。リウェン氏は僧侶の殺害に関わりたくないから、息子を連れてタイへ逃亡する決意をしたと語った。

「政治犯協力協会(AAPP)」によると、85人の民主運動指導者、千人以上の僧侶、300~400人の学生を含む少なくても1500人が逮捕されたという。

(翻訳/編集・余靜)
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