ミャンマー軍政、僧侶に強制寄進

【大紀元日本10月10日】ミャンマー(ビルマ)官製メディアによると、当局軍事政府は僧侶たちとの和解を前提に、数千米ドルを全国の仏教寺院寄付したという。国連は、ミャンマー軍事政府がここ2週間で、引き起こした流血弾圧に対して、譴責声明を発表する構えだった。VOAによると、僧侶たちは当局から恐喝されたため、寄進を受け取らざるを得なかったという。

ミャンマー国営紙「ニュー・ライト・オブ・ミャンマー」によると、ミャンマー政府は約8千米ドル、食品および医薬品を50の寺院へ寄付したという。僧侶らは、逮捕された僧侶の解放や物価高騰抑制などの要求に軍政側が応えなかったため、9月18日から軍政府に対し覆鉢(ふくはつ)に入り、寄付を受け取らず、ヤンゴン、マンデラおよびその他の都市で平和的抗議デモを行ったが、これに対して当局は発砲、催涙弾、棍棒および大規模の逮捕などの手段でデモ活動を阻止した。

ミャンマー政府は、今回のデモ活動でリーダー的存在の5人の僧侶を指名手配している。情報によると、その中の1人、アセン・ガンビアさんは、僧侶たちは恐喝されたため、軍事政府からの寄進は受け取らざるを得なかったと示した。

ガンビアさんは、僧侶らは寄進自体が汚れていると考えているため、受け取っても一切使用していないと示し、政府からの寄付に対して継続的に排斥していると明らかにした。

ミャンマー当局は10月6日に、抗議デモと係わっている78人を拘束したと発表した。弾圧行動の中で拘束された者は、半数以上が解放されたと強調した。また、当局官製メディアでは、当局は寺院で武器を押収したという。さらに、軍政支持派のデモが全国で展開され、反政府デモの参加者を「テロリスト」としたプラカードを掲げているという。武器の押収や軍政支持派のデモはいずれも、軍政側が演出したものとする見方が強い。

(翻訳/編集・余靜)
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