江蘇省:日系企業従業員汚染で病死、大規模デモ発生

【大紀元日本10月18日】中国江蘇省昆山市で14日、大規模な抗議事件が発生した。昆山市(蘇州市管轄)の周荘鎮近くの日系電子工場で、数百人の従業員が長期にわたり工業有毒物に接触したため病にかかったと見られ、先月、従業員1人が肺がんで死亡した。従業員は工場側に医薬費を請求したところ拒否され、二千余りの従業員が一斉に作業を中止してデモを行った。

香港メディアの報道によると、地元の多くの住民もデモを応援、公安と激しい衝突を起した。パトカーがひっくり返され、数人が逮捕された。14日午後現在、デモ活動が続いており、蘇州市の政府官員はすでに仲介に入ったという。

周荘鎮の住民の話によると、抗議者らは日系資本の昆山日セラ電子器材公司の従業員。デモは14日午前中から始まり、数千人に拡大した。武装警察数百人が現場に駆けつけ、抗議者を追い払おうとしたため、衝突が起こった。公安に連行された人もいるという。

抗議に参加した従業員の話によると、この電子工場は長期にわたり工業用有毒物を原料にしていた。工場側は昨年、従業員3百人の健康診断を手配したが、いつまでに経っても結果は公表されず、さらに9月8日に従業員1人が肺がんで死亡した。従業員の間で不安が広がり、健康診断を受けた従業員らは自費で昆山市病院に行って健康診断を受けた。その結果、全員が肺部で異物が発見されたが、病院側は正常だとごまかそうとした。

不安にかられた一部の従業員は、上海まで行って検査を受けた。上海の病院から病状がとても深刻だという結果が伝えられ、数十人は入院治療を勧められ、中にははすでに末期の癌である者もいた。従業員らは、工場側と政府に賠償を請求したが、拒否された。

従業員らの話によると、工場周辺の環境汚染は深刻で、工場地域全体だけではなく、周辺の野菜市場、バス停、ホテルまで汚染された可能性が高いという。

崑山市政府官員と警察側がメディアの取材を受けたが、ノーコメントだった。

同事件は、中国のインターネット上の掲示板で話題となり注目を集めている。

昆山日セラ電子器材公司が主にフェライトコア、変圧器、センサー、照明電源モジュールなどの電子材料と製品を生産している。所属する日セラグループは日本セラミックの出資であり、周荘鎮の近くにいくつの企業もある。昆山日セラ電子器材公司のほか、上海日セラ磁性器材公司、蘇州日セラ電子有限公司、日セラ三和など合わせて従業員が1万人いるという。

(翻訳・侍傑、編集・肖シンリ)
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