ダライ・ラマ後継者問題、言動不一致の中国共産党

【大紀元日本11月25日】中国外務省が11月22日に発表した、チベット仏教の最高指導者であるダライ・ラマの後継者選出に関する批判発言によって、パンチェン・ラマ11世を巡る中国共産党政権の言動不一致が露呈した。

ダライ・ラマ14世は同月17日、三重県伊勢市で開かれた記者会見の席上、自らの後継となる15世の選出方法について①「生まれ変わり」を探し出す伝統的方法②高僧の中から選出③自分が存命中に後継者を指名、という3つの方法を考慮していることを明らかにした。この発言に対して中国外務省スポークスマンは22日、「活仏の生まれ変わりはチベット仏教独特の継承方法だ」として、ダライ・ラマ14世の後継者選出方法に関する発言を批判したが、この中国外務省の発言は、同じくチベット仏教における活仏であるパンチェン・ラマについて、伝統的方法によって探し出された後継者を拘留し、勝手に別人を後継者と「認定」した中国政府の行動と著しく矛盾するものである。

1989年にパンチェン・ラマ10世が死亡した後、チベット仏教の伝統的継承方法に基づいて後継者の資格を持つ「生まれ変わり」の捜索が行われ、1995年、ゲンドゥン・チューキ・ニマ少年がダライ・ラマ14世によって「生まれ変わり」と認定された。これに対して当時の中国政府は反発し、パンチェン・ラマを認定する権限はダライ・ラマになく、中国当局に帰属するものだと主張し、その上、同年5月17日、中国政府は当時6歳のニマ少年を両親共々連行、現在まで拘留し続けている。

その一方で中国政府は自ら、同年11月にギェンツェン・ノルブ少年をパンチェン・ラマ11世と認定し、即位させた。この中国政府の行動はチベット仏教の伝統的継承方法とは明らかに異なるものである。

中国政府が拘留し続けているパンチェン・ラマ11世については、国連児童権利委員会をはじめ、各国政府や人権擁護団体が面会を求めているが、中国政府は一貫して面会を拒否し続けている。今回のダライ・ラマ14世の後継者選出方法に関する発言を批判した中国政府が、その自らの発言に従い、現在拘留中のゲンドゥン・チューキ・ニマ少年を解放し、パンチェン・ラマ11世として承認するかどうかが注目される。

(記者・微好)
関連記事
香港では「国家安全法」を導入したことで、国際金融センターとしての地位は急速に他の都市に取って代わられつつある。一方、1980年代に「アジアの金融センター」の名声を得た日本は、現在の状況を「アジアの金融センター」の地位を取り戻す好機と捉えている。
メディアのスクープ話が世の中を動かす。特に最近は「文春砲」など週刊誌メディアの元気が良い。同時に報道のありかたが問われている。国が国民の幸福を奪うことがあったら、ある程度、国家権力の作ったルールを逸脱する「反社会性」を持ち、戦わなければいけない時がある。記者は反社会的な面を持つ職業で、メディアは反社会性を持つ企業なのである。
米空母、台湾防衛態勢に 1月29日、沖縄周辺海域で日米共同訓練が挙行された。日本からはヘリコプター空母いせが参 […]
上川陽子外務大臣は、パナマ在留邦人及び進出日系企業関係者と昼食会を実施した。日・パナマ間の経済分野における協力の可能性や課題、教育などについて、意見交換を行った。
2月23日午後、上川陽子外務大臣はパナマ運河視察を行った。日本が主要利用国であるパナマ運河の安全かつ安定的な利用環境確保に向けた連携を維持すると表明