ダライ・ラマ14世、成田で記者会見

【大紀元日本4月11日】インド・ダラムサラに亡命中のダライ・ラマ14世は10日、二週間を予定している渡米途中のトランジットとして成田ヒルトンホテルに一時滞在し、同日午後から在留チベット人らの見守る中で内外の記者団らと会見を行い、北京五輪やチベット自治区の問題などについて語った。

ダライ・ラマ14世は、記者団との質疑応答に先立ち、人類共通の価値観として「慈悲」を持つこと、更には宗教間の調和が必要であるとの立場を力説し、これからの先の渡米目的もまさにこれであり、政治的な目的ではないと表明した。 

ダライ・ラマ14世は、世界中で行われている北京五輪反対の運動について、個人的には五輪に反対している立場をとっているわけではなく、当初からこれを支持しているとしてサンフランシスコ在住のチベット人にも「自分の気持ちを表現するのは構わないが暴力はいけない」とのメッセージをすでに伝えたと明らかにした。

さらにダライ・ラマ14世は、自身が往々にして反中国であるとの見方をされがちであるが、決して独立を求めているわけではなく、チベット人600万人を鑑み特に文化、教育、環境について「完全な自治を持ちたいだけだ」と語った。

3月中旬のチベット動乱については、地元チベット人に表現の自由がなく、これは人権問題に根差した「やむにやまれず怒りが表出したもの」なのであって、その事実関係についてはダラムサラをも含めて第三者的な機関による公平かつ中立的な調査を行い、「(中共の言っている)何が犯罪なのかを」はっきりさせる必要があるとの認識を示した。

チベット問題に絡んだ北京五輪については、特に欧州各国が敏感に反応しており、「欧州の国々にはそれぞれの立場があり、その共通の利益として欧州連合があるわけであるが、ドイツ・フランス・イギリスがそれぞれ明確な立場を表明しており、これについて特に感謝している」との意見を表明した。

新彊ウィグル自治区についてもチベットと同様の問題があると指摘、中共政府は現実を直視してそれを受け入れ、「暴力による弾圧ではなく、21世紀にふさわしい情報の透明性が共有されることが必要である」との認識を示した。それでこそ「調和した社会」が実現できるのであり、その恩恵はチベット人などの少数民族のみならず中国人全体の幸せにもつながるとの考えを示した。

 (記者・青嵐)

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