中国有毒粉ミルク事件、公表遅延に非難集中

【大紀元日本9月16日】中国の乳児が摂取した有毒粉ミルクで腎臓結石患っている事件が広く注目を集めている。生産工場が巧妙に検査結果を隠蔽し、粉ミルクに有害物質が含まれていることを知りながら販売し続けていたとして批判が高まっている。政府側と工場がなぜ1ヶ月以上も後になって真相を公布したのかにいついて、北京五輪と関係があるのではないかとの意見もある。しかし政府側の専門家は通達の遅延問題は存在しないと発表している。

事件発覚後、中国当局は迅速な措置をとり、その矛先は利益のために牛乳の中にメラミンを添加したと疑われる不法酪農業者に向けられた。新華社13日の報道によると、河北省警察はすでに牛乳への有害物質混入に関係する78人を容疑者として拘束している。

河北省当局と粉ミルクを製造した「三鹿」グループは、共に不法酪農業者が全ての事件の元凶であると強調しており、関連企業と品質検査部門がどのような責任をとるかについては触れていない。

VOAの取材に応じた石家庄で店を経営する白さんによると、当局と企業が責任逃れのため、中国企業のイメージを著しく損ねた責任を酪農家転嫁したという。「酪農家は牛乳を搾って売っている。もし品質に何か問題があるならば、その時検査は出来るはずだ。そうでしょう?検査して問題があれば返品すればいいのだ。違いますか。酪農家には何の関係もないことだ。肝心なのは品質のチェックをきちんとしていなかったのだから品質検査部門も責任を逃れることは出来ないはずだ」

一部のネットユーザーは、9月11日に中国衛生部がこの問題について公表した際、なぜ汚染された商品が依然として市場に出回っていたのかという疑問を持っている。石家庄市で機械・電力設備業を経営する劉さんはVOAに対し、「生産した商品がだめなら、まず一部の商品を密かに回収し、どうしようもなくなってから公表する」と、生産企業の利益優先の姿勢を批判した。

中国衛生部職員は、汚染粉ミルクで腎臓結石になった乳児の症例は少なくとも432件を超えており、その中の乳児1人が死亡したと発表している。

現在までに政府と製造工場側は、事件の責任を回避している。衛生部専門家調査グループのメンバーで北大司法鑑定センター主任の孫東東氏は、新浪ネットの取材を受けた際、「政府はこの問題の処理上、何の手落ちもない。問題発生後、直ちに調査し、確認後すぐに公表している」と話した。

孫東東氏は、さらにメディアに対し公表までの時間が遅れたことについて、「メディアは関連部門に疑惑を差し挟む必要はない」と不満を表した。

石家庄の劉さんによると、「6月にすでに告発があり、国家はすでに介入し始めていた。だから五輪に関係があったに違いない」と述べ、8月1日には関係当局が粉ミルク問題の実態を把握していながら、9月中旬に公表したのは、北京五輪関係への影響を懸念したからではないかと見ている。

(翻訳・坂本)