ワニ200匹逃げ出しに抗議、住民千人近くがデモ=広東省珠海市

【大紀元日本9月29日】中国広東省珠海市の白藤湖で起きたワニ騒ぎはますます拡大し、先ごろ闘門区に住む千人近い人々が街頭でデモを行った。台風「ハグピート」上陸時に堤防が崩れ、住民が浸水により財産に深刻な被害を受けたうえ、ワニ島公園にいたワニ200匹以上がこのチャンスに逃げ出したことについて、現地政府が管理をおろそかにしたことに抗議したものだ。人々は当局のワニ捕獲のペースが遅いことに不満を抱いている。今になっても逃げたワニの数が公開されないことが人々を不安にさせている。

香港「太陽報」によると、25日午後、千人近い住民が横断幕を手に井岸まで歩いて街頭デモを行い、声高に「我々の家、白藤湖をかえせ」と抗議し道をふさいで交通をストップさせた。住民らは当局が白藤湖堤防修繕工事を展開することに対し、承認したあと誰も処理を行っていないことを指摘している。先日の台風「ハグピート」上陸時、河の水かさが増し、白藤湖西側堤防が崩れ、周辺の住居に水が浸入し、市内の多くで浸水した。最も深いところで建物の一階の高さまで水に浸かっていたという。デモを行う人々は浸水被害を受けた村民は千人を超え、財産の損失が深刻なことを伝えている。

河水が白藤湖を水没させたため、白藤湖にあるワニ島公園で飼われている多くのワニが逃げた。人々は当局がいまだにワニの数を細かく調べず、捕獲するペースも遅い。このことがさらに人々を不安にさせている。彼らは政府に対し、職員の職務上の過失かどうかを徹底的に調査し、財産の損失を弁償することを要求している。

報道では、デモの最中に一部の民衆が激昂し、通行人と衝突を起こしたうえバイクを河に落としてうっぷんを晴らしたと伝えている。現地交通警察と治安員が現場に駆けつけ、数時間後にデモの群衆は次々と解散し、一人の怪我人も出なかったという。

逃げ出したワニの具体的な数は、現在まだワニ島の浸水が深刻なため、園内のワニの数をはっきりと公表することは不可能らしい。しかしながら園側は、逃げた揚子江ワニは性格がおとなしく、攻撃性はそれほど強くはないと強調している。しかし、あるネットユーザーは満腹の揚子江ワニなら人を襲わないだろう。しかし逃げた揚子江ワニは何日も餌を食べていないのだから、村人を襲う恐れがあると指摘している。ワニ島で仕事をする職員も揚子江ワニは性格がおとなしく危険性はそれほど大きくないと説明している。しかし、タイのイリエワニは凶暴で、人を襲う可能性があるのだ。

ある中国大陸のメディアは、25日午前、ワニ島周辺地区のある家の庭でワニが一匹発見されたと伝えている。当時、この家の住人は犬がしきりに吠え、自分の飼っているアヒルがガァガァと叫んでいるのを聞き、表に出て驚いたという。何とワニがアヒルをくわえてアヒルの飼育場の隅に横たわっていたのである。

ワニ島には合わせて298匹のワニが飼育されており、それぞれ揚子江ワニ、タイのイリエワニ、マレーシアワニなど数種類である。中でもタイのイリエワニは体が大きく、凶暴で攻撃性が強いので住民たちの脅威となる可能性がある。24日に逃げたワニは2つの池に集中しているという。一つの池で飼われているのはおとなしい揚子江ワニ、もう一つの池では凶暴なタイのイリエワニ38匹が飼われていた。

(翻訳・坂本)
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