【花クレヨン】塚本邦雄創刊歌誌「玲瓏」

【大紀元日本10月24日】

玲瓏の 玉わりなして 碧き地球(ほし) 一つ生(あ)れませ のみと(喉)の空に

金属や玉などが、曇りなく透き通るような音を発する様を「玲瓏」といいます。美しく輝き出でて、魂を清める玉のような声(玉音)のことをも指し示します。玲瓏に集いし人たちは、このような玉の触れ合う音を一度ならず、聴き留めたことがあったのでしょう。

短歌の一文字がすべて玲瓏の音を発して、一人ひとりの魂(たま)歌が遊星の空に献じられるのです。玲瓏の歌人たちの作歌はいずれも真新しい魂胆の工夫多く、音なしの調律をもって紐解かなければならないものばかりです。

「玲瓏」は1986年1月16日、塚本邦雄選歌誌として第1号の産声を上げました。檻の中に呪縛された「大和言葉の歌姫」を解き放つ前衛・革命歌の清き流れとして、塚本氏亡き後(2005年6月9日逝去、神変忌と名づけられた)も忽然と異彩を放ち続けています。

たとえば水無月・神変忌の枕辺に立った夢の温もりを、寝起きのベッドの下の薄紅(くれない)色の暗がりに、一度は探してみたことのある人なら、玲瓏歌人の透き通り響く大和言葉にきっと魂(たましひ)を揺すられることでしょう。それを願ひます。あき深し大和言葉の彫金・可不可師・・・?に、玲瓏の一卵を手向けます。

歌(うた)不歌誌 水無月の碑(6月9日)の 神変忌 玲瓏の卵殖(ふ)ゆ 歌塚の邦(くに)

(采)

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