木材乱伐事件めぐり、群衆1万人と警察が大規模衝突=中国江西省

【大紀元日本10月27日】中国内陸部の江西省銅鼓県で、木材乱伐に抗議する地元住民らが、伐採業者に雇われたヤクザ風の男たちから暴力を振るわれている事件をきっかけに、抗議する住民と政府当局が派遣した約2千人の武装警察が、大規模衝突事件が24日と25日、二日間連続で発生した。一人が死亡、十数人の重傷者が出たという。

現地住民によると、同県の伐採業者・緑海公司は、県政府の幹部と結託し、県

緑海公司前に集まった住民ら(大紀元)

内の木材資源の杉を大量伐採し販売している。「毎日、二、三百立方メートルの杉を伐採し、直径2,3センチの小木さえも残らず刈り取っている。環境に対する破壊は深刻になっている」と言う。

緑海公司の乱伐行為に抗議する大段鎮紅蘇村の住民らは、木材を山から搬出する道路を遮断し、緑海公司に道路使用費を求めた。10月23日午後10時、緑海公司に雇われたヤクザ風の男約40人が、銃をもって住宅に乱入した。その結果、一人が死亡し、十数人が重傷を負い入院した。仲介に入った鎮長も重傷であるという。

この乱入事件で、住民らが警察に通報し助けを求めたが、警察は対応しなかった。

目撃によると、24日朝、情報は大段鎮まで広まり、乱入事件に怒った住民らが緑海公司前に集結し、同社の車両に火をつけた。当局は事態を静めるため、現地に数百人の武装警察を派遣し、集結した群衆に催涙ガスを放ち、電気棒で住民らを殴ったりしたという。

乱伐企業が雇ったヤクザに襲われた住民を守るどころか、武装警察を使って住民を弾圧した行政府に憤慨した群衆は、警察と衝突し、十数台の警察車両に火をつけた。警察側と群衆側とも負傷が出たという。

25日朝、当局は武装警察を増員し、首都の南昌市などから約二千人の武装警察を緑海公司前に派遣した。一万人以上の群衆が再び緑海公司前に集結し、警察と対峙した。同日午後3時、大雨が降り始め、群衆はその場から離れていったという。

記者が負傷した紅蘇村の王海坤さんに電話取材したが、前日に通じたはずの電話は「無効である」メッセージが流れていた。

紅蘇村近隣の住民によると、大段鎮の住民らの携帯電話やネットなどの通信は25日に遮断された。電信会社にクレームをつけた後、状況は少し改善されたという。

匿名の現地住民によると、24日午後、県委員会は緊急会議を開き、江西省からの指示を通達した。すべての企業、機関及び個人は、メディアの取材に応じることが禁じられ、省政府が取材の窓口になるという。

緑海公司前に集まった住民ら(大紀元)

(記者・方暁 翻訳/編集 肖シンリ)
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