イラン駐日大使、原子力の平和利用を強調

【大紀元日本12月6日】イランイスラム共和国のセイエッド・アッバス・アラグチ大使(46)は5日午後、笹川平和財団(spf)の招きにより東京虎ノ門の日本財団内で講演を行い、イランが過去200年間外国に侵攻したことのない平和国家であり、その原子力開発は平和利用に終始するものであると強調、欧米メディアによって創られるイランの悪い心象虚像にはイランは無力であると指摘した。

アラグチ大使は、イランはペルシャ湾を臨み中東の真ん中に位置する広大な国家で、その広さは英独仏にスペインを併せた位の世界で18番目に大きな国であり、東西に現在火種のイラクとアフガニスタンがあり、人口7200万人で平均年齢がわずか27歳の活力に溢れた国家であると同時に、石油と天然ガスの埋蔵量がロシアに次いで第二位のエネルギー大国でもあると説明した。

現在のイラン・イスラム共和国は、78年のイスラム革命によって成立したものであり、西洋の民主主義とイスラムを共存させようとする、一見矛盾したものを模索するものであると説明、イスラムでは主権は神にあるが、民主主義では主権は人民にあり、イランの憲法では人と神との共存が謳ってあると説明した。

イスラム世界には、西洋の生活様式や考え方を全く排斥しようとする極右勢力のタリバンやアルカイダ、また全面的に西洋の文明を受け入れようとする勢力、イスラムと西洋との橋渡し的な役割をやろうとするイスラム・モダニズム派の三派に分かれているという。

イランの原子力開発は57年のパーレビ体制にまで遡り、既に58年にはIAEAに加盟、続いてNPTにも加盟し、常にその監視下で原子力開発を行ってきたが、米国によるイラク侵攻の前後から猛烈な反イランのプロパガンダが欧米メディアから沸き起こり、英独仏のEU三カ国がテヘランを訪問、ウラン濃縮と施設の起動停止を求めてきたため、イラン側は国際情勢に鑑みてこれを受諾した。

2005年8月、英独仏に中米露を加えた所謂「5プラス1」が、イラン側にウラン濃縮の放棄と核燃料施設の廃棄を求め、見返りにWTOへの加盟、米航空部品の輸入解禁、インターネットのアクセスなどの条件を提示してきたために交渉は決裂、以降イラン側はIAEAの査察と監視の下で、独自の技術開発に励んできた。

アラグチ大使は、イラン側の原子力開発はあくまで平和利用であり、イラン側にウラン濃縮の放棄を求めさえしなければ、どの国とも提携する用意があると表明、もし中東の真ん中に位置するイランが核を保有すれば、これら中東地域で核の軍拡が起こり安全保障上で不安定になるのであり、歴史を検証しても、イスラエルの核はパレスチナのヒズボラに無力であり、旧ソ連の核も自国の崩壊に歯止めを掛けられず、米国の核もまたイラン・イラクの治安安定には無力であり、それゆえ核は無用の長物であるとの認識を示した。

(記者=青嵐)

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