【草木染めの植物】橙(ダイダイ)

【大紀元日本1月6日】ヒマラヤ山麓に起源をもち、樹勢が強く、全国で栽培されるミカン科の常緑高木。日本に野生しているものは橘で、ユズも古くから日本に入っていましたが、つぎつぎと品種改良されています。ダイダイは春に白い花が咲き、秋に実がなり、冬に黄色く熟しますが、実は木から落ちず夏には再び緑色に戻ります。縁起の良い果物とされ、鏡餅などの正月の飾りには欠かせません。

ミカン科のダイダイ、レモン、カラタチなどの幼果を乾燥したものは枳実(きじつ)、成熟果実は枳穀(きこく)と言われる生薬です。

【薬用効果】枳実、枳穀は、体内の気がスムーズに流れるように働きます。主に消化器系に作用して腹痛、便秘、食欲不振などを改善します。一日量は乾燥物3~9gを煎服します。また、橘、温州みかんの成熟果実の皮を陳皮(ちんぴ)、成熟前の果皮を青皮(せいひ)と言い、同様に気の滞りを解消します。ただし、陳皮は肺系に、青皮は肝系にも働きます。民間でもネギ、ショウガを加えて熱湯を注ぎ風邪の予防に用いられ、入浴剤としても使われます。

【食用】ダイダイは酸味が強く風味がよいのでポン酢として多用されます。しかし、ミカン類にはカンキツ属、キンカン属、カラタチ属と数多くあります。それぞれに属する果実は生食あるいはジュースにして料理する健康美容食品ですし、ジャム、ケーキなど嗜好食品にも多く利用されます。特に温州みかんは冬季の代表的果物です。多くの人々に好まれていますが、食べすぎると手のひらが黄色くなることもあります。

【染色用】乾燥した温州みかんの皮を煮出して染液とします。シルクのスカーフを染め、アルミ媒染すると鮮やかなミカン色となりますが、数カ月で退色しました。染料とするにはもうひと工夫する必要がありそうです。ある資料では、レモンやオレンジをウールに同様の黄色が染めてありましたが、時間経過の結果は不明でした。

ダイダイの実(撮影=大紀元、2008年12月19日)

ダイダイの木(撮影=大紀元、2008年12月19日)

(文・ハナビシソウ)

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