土地強制収用補償金問題:福建省農民3千人、北京で抗議デモ予定

【大紀元日本1月18日】中国福建省莆田市で、農地強制収用の補償問題をめぐり、地元農民3千人が昨年12月、地元行政府を訴える訴状を地元地方裁判所や最高裁判所、北京の国務院に提出した。しかしながら、今年に入っても関係部局から対応がないため、農民らは1月11日、北京市全国人民代表大会常務委員会(以下、人大常委会)に法律監督を要請し、全国最高人民裁判所へ訴状を送った。

福建省莆田市676戸3千人余りの農民からの依頼を引き受けた代表の黄維忠氏によると、2003年より、地元政府が上層部の批准した書類で農民たちの農地を強制収用し、農民の生活が困難に陥った。そのため、農民らは昨年12月24日、訴訟手続きを行ったが、地元の地方裁判所、最高裁判所は受理しなかった。その後、最高裁判所を管轄する国務院に対しても訴訟の手続きを行った。

通常では、訴状を受け取って7点xun_ネ内に受理するかしないかなどの決定を通知する規定があるが、未だに返信はないという。これに対して、黄氏は国務院を監督する北京市人大常委会に対して法律監督を申請した。黄氏は、人大常委会から回答がなければ、次は北京市公安機関に抗議デモを申請し、北京で大々的に抗議デモを行うと強調した。

黄氏によると、2003年、2005年から現在に至り、莆田市延寿村、渓白村、倉林村、碼頭村、西劉村、東楼村、桃峰村、洋西村、七歩村で10件の土地強制収用事件が発生した。農民の生活が困難に陥り成す術がなくて、集団で地元政府を訴えたという。

黄氏は、「われわれはこれまでにすべて中国の法律に則り手続きを行って来た。それても問題解決できないなら、中国の人権は保障できない。共産党が謳歌している法制国家などなどがすべて偽物である。私が扱った案件から、中国は法制国家ではないことを証明できる。ならば、公民権力、政治権力、国際公約等に従い国連人権理事会へ訴状を送ることができる。それがわれわれの目標でもある」と語った。

黄氏によると、農民が集団で行った訴訟は地元政府にとって不都合であることから、2005年同件の代理人として国務院の不作為を訴えるために北京に出かけた際、駅で拘束され、3年の刑に処されたという。

農民たちは、莆田市政府が設定した村内10ヵ所の土地収用に対する補償金基準、安置方案に不満を募らせ、長期に渡り直訴を行ったが、なしのつぶてだった。一方、地元政府は相も変わらず土地の強制収用を続行したことから、農民たちの怒りが頂点に達し、昨年12月に訴状を提出した。

(記者・方暁、翻訳編集・余靜)
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